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2014年4月14日

踏みとどまる専門店たち

 消費税率が上がって2週間が経過し、ようやく落ち着いてきた。3月末から4月に入り、消費税が上がっても、来店客数を落とさない為にも思い切って店の衣替えをした所が多かった。桜の開花も思いのほか早かったので、その動きを加速した。

 4月に入り、市場ではストックやスナップ、スイートピー等、例年であれば4月の中旬以降に展開されるような安値相場となり、生産者の方々は随分と面を食らっただろう。思い切った季節の先取りの為だ。あれから2週間、ようやく小売店も消費者も落ち着きを見せ、通常に戻ってきた。
 そんな中で花キューピット主催の「フラワードリーム2014」が東京ビッグサイトにて12日(土)~13日(日)開催された。こんなに足の便の良い都心に近いところで、花き業界の一社団法人が開催したわけだから、さすがJFTDというところである。内容も「新しい花との生活を提案する」専門店として、また「日本の花き文化を体現する」専門店として、まさに面目躍如であった。

 花でもボーダーレスとまでは行かないが、競争が激化している。全国のホームセンターは、卸と直接取引をしたり、卸プラス仲卸で取引をしている。又、スーパーマーケットの花の70%は仲卸が花束加工をし納品したり、直接インショップで小売店として入店したりしている。現在の仲卸は第1世代で小売店出身者が多い為、仲卸が一番小売の実態を知っていると思われる。

 先月の3月末に、2年前の2012年暦年の都内5つの中央卸売市場花き部の粗利幅について掲載記事を見たが、大田市場の仲卸はほとんど花束加工を行っていないので、5市場の中で利益幅が最も低かった。他市場の仲卸は、かなり川下に踏み込んだ仕事をしているようだ。こうなると、小売の分野で専門店とぶつかることになる。

 消費者にとって下記の4つの小売の業態が必要である。①新しい花との生活提案をしてくれる専門店。②買い物時間削減のインターネット花店やカタログ販売。③花の買い物コスト削減の量販店。④生活空間の各所に似合う花の調達場所としてのホームセンター。  
花のことを良く知る仲卸が量販店に納品し、花を販売するようになると、勉強していない花店では専門店でのポジションを確保し続けることが出来なくなるということだ。

 今後、専門店としての勉強をどのようにして行くのか、価格競争でないところに土俵を求める動きがフラワードリームを見て、益々必要であると感じた次第である。花キューピットのメンバーは勉強の機会があるので、幸せだ。

投稿者 磯村信夫 : 2014年4月14日 17:26

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