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2015年11月 2日

新需要創造には業界人の覚悟が必要

 ハロウィンが土曜日にあたった今年は、9月末からハロウィンムードが盛り上がりをみせていた。しかし終わってみると、期待が大きすぎたせいか、黄色やオレンジのハロウィンカラーの花、観賞用かぼちゃは120%弱の伸びに留まった。一方、仮装用の衣装は、渋谷や六本木の様子がTVでも報じられていたが、3割以上の伸びがあるのではないか。海外からもこの仮装イベントに参加する程であるから、おおよそこの数字に間違いはないだろう。

 新しい需要を作りあげようと、農水省の国産花きイノベーション推進事業の予算を頂いて、各団体が取り組んでいる。先月末も、経過報告や課題討議の会議が行われた。例えば、東京都花き振興協議会では、日本の伝統的な花飾りを羽田国際線ターミナルで展示したり、テーブルデコレーションフェアでホームユースとしての花の楽しみ方を提案、さらに、治療に役立つ花きの効用のセミナーを開いたり、花育の実証結果を報告している。また、とある団体では、オリンピックのビクトリーブーケに向けて、安定的な花のサプライチェーンをどう構築するかを議論したり、夏の暑い時期で海に面した地域なので、植栽をするにはどの花のどんな品種が良いのかコンテストをしたり、「フラワービズ,フラワーフライデー」、あるいは「ウィークエンドフワラー」のプロモーションの具体化について検討をしたりしている。いずれもかけ声倒れに終わらないよう、種苗から生産、卸売と仲卸、小売の各団体のリーダーたちが率先して実行に移し、業界全体を巻き込んでいかなければ、消費者まで巻き込むことは出来ない。せっかくこのように外に向かって活動を始めたわけだから、この活動を本物にしていくことを決心するところから始め、消費の拡大を期することが必要だ。少子高齢化の日本において消費が減らない可能性があるのは「花き」だ。農業の中でさらに重要な位置づけとなる「花き」を、我々は消費サイドから支えなければならない。

 話は変わるが、先週末、オランダ花市場・フローラホランドの2020年までのプログラムに則り、「World Flower Exchange」の催しが中国で行われた。BtoCのアリババグループや、BtoBが中心であるテンセント等、中国の優良イーコマース大企業と接触し、来年からオランダ花市場の花でイーコマーストライアルを始めるという。このようにグローバリゼーションは進んでおり、オランダは隣国ドイツと同様、中国を大切なマーケットだと考えている。日本の花き業界よりも中国に対して構えるところがない。オランダは中国マーケットに対して政治力を持って上からいくが、日本は民民の関係で下から行く。明らかに取り組み方が異なってきたということであろう。

投稿者 磯村信夫 : 2015年11月 2日 15:43

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