〜西洋を魅了した白ユリ〜
テッポウユリは沖縄をはじめ、奄美諸島や九州に古くから
自生する日本固有のユリです。
江戸時代には「琉球ユリ」と呼んで親しまれたテッポウユリが
ヨーロッパに渡ったのは17世紀末のこと。
以来、日本から大量に輸出され始め、ヨーロッパではイースターや教会行事の花として使われるように
なりました。
西洋人を魅了したのはテッポウユリの花姿、あるいは香りだったのでしょうか?
’おすすめ芳香花’では、テッポウユリの香りの魅力と活用法をご紹介します!
〜香りはパウダリー・フローラル〜
テッポウユリの花は、南国の花イランイランのようなコクのある甘さをともなうパウダリーな香りがします。
※”パウダリー”とは、おしろいの粉のように甘くやや粉っぽく感じる香りのこと。
花に顔を近づけると少しムッと来るほどの甘く強い香りがしますが、このイランイランのように
濃厚な香りの正体は「メチルベンゾエイト」や「インドール」という芳香成分です。
・リナロール
・メチルベンゾエイト ・オシメン
・インドール ・アニスアルデヒド、ラクトン類ほか 【テッポウユリ 雷山】
イランイランの花 + =
イランイラン様の香り フローラルな香り テッポウユリの香り
このように、いくつもの芳香成分が組み合わさり、香りの特徴が和音のように調和して
テッポウユリの香りを形作っています。
〜フレグランスブーケへの活用法〜
夜になるにつれて強く香るテッポウユリは、夜向けのブーケに活用しよう。
テッポウユリは芳香花を束ねて作る、フレグランスブーケの素材としてもおすすめ!
チューベローズやジャスミンなど、夕方〜夜に香る特徴をもつ花と一緒に組み合わせると香りも
さらに強く高まります。

●テッポウユリとチューベローズで作る、夜の芳香花ブーケ。 ●スイレンとテッポウユリのブーケ。昼間香るスイレンと夜香るテッポウ
香りは甘くてスパイシー。白い花の香り「ホワイトフローラル」 ユリを組み合わせれば、朝〜晩まで花の香りを楽しめます!
をイメージしたフレグランスブーケです。
〜夜香る花のひみつ〜
テッポウユリは夜になるにつれて強く香ります。昼の香りと夜の香りを比べてみてください。
こういった花は意外と多く、チューベローズ(←クリック!)やジャスミン、ジンジャー、
ハニーサックルなども夜香る花。民家に咲く夕顔やカラスウリの花も、夜になると香るといわれています。
なぜ、夜に香るのかと言うと・・・?
(夜香る花たち)
チューベローズ ジャスミン ハニーサックル ジンジャ
夜に香りを出すこと・・・そこには花の隠れた生存戦略がありました!
花は昆虫などに花粉を運んでもらって種をつけるために、香りを出しています。
〜昼間の虫たち〜
  
・昼行性 花はカラフルな花色や香り、虫に擬態した花の形で虫を呼ぶ!
・花の色を見分ける

〜夜の虫たち〜
 
・夜行性 花は昼間よりも強い香りを出して、ガなどの虫を誘う!夜目に目立つ白や黄色の花が多いといわれます。
・においで花を探す
・目はほとんど見えないが光に反応
このように、花粉を運んでくれる虫の特徴やライフスタイルにあわせて、花みずからが
様々な工夫をこらしています。花にとっては「香り」もその工夫のひとつなのですね。
〜聖母のユリ マドンナリリーの香り〜
古いヨーロッパの絵画に描かれた、聖母マリアを象徴するユリ”マドンナリリー”。
ユリ類の中でも特に素晴らしい芳香は、ジャスミンやスズランのような爽やかさ。
マドンナリリーはこれまでのユリの香りの概念を変えてしまうような素晴らしい香りを持っています。
現在商品開発室ではこの貴重な香りを持つ、マドンナリリーの切花の復活を試みています。
北海道百合が原公園にて、マドンナリリー芳香調査
かつて、マドンナリリーは、教会の祭壇を飾る花として使われていました。
イタリア ルネッサンス時代の画家が描いた絵画の中には、聖母マリアとともに
描かれたマドンナリリーを見ることが出来ます。
当時のヨーロッパで白ユリと呼ばれるユリは、このマドンナリリーだけでした。
1829年、日本からテッポウユリが輸出されるようになると圧倒的な人気を得て、マドンナリリーに
代わる教会行事の花として使われるようになります。
|