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バラの基礎知識

名前と系統について

学名:Rosa cvs. バラ属バラ科 双葉植物。落葉又は常緑の低木・つる性の木本。茎葉には刺が多い。 輪生する葉は通常は奇数羽状複葉。花は花頂に単生か散房状につき花弁は5枚、ただし園芸品種では重弁化するものが多い。雄しべ、雌しべともに多数。原産は北半球の亜寒帯から熱帯山地にかけて分布し、約200種類の野生種が知られています。園芸品種は毎年数百種類ずつふえていますが、実際に残るのはそのうち1〜2種類ぐらいです。全5万品種はあるといわれています。

系統:バラは大きく分けて原種・オールドローズ(19世紀以前にヨーロッパで栽培されていた古典的な品
種や原種系)・ モダンローズ(今日栽培されているもの)の3つに分ける事が出来ます。モダンローズは主に8つの原種や栽培原種から作られました。

 

名前 原産 特徴
テリハノイバラ 日本・台湾 ツルバラの原種
ノイバラ 日本 房咲き性の系統の原種
ロサ・ギガンティア 中国 お茶の香と剣弁の原種
コウシンバラ 中国 四季咲き性の系統の基
ガリカローズ 小アジア 真紅の基
ダマスクスローズ 自然交雑種 香の高い系統の基
アルバローズ 自然交雑種 白色、半八重咲き系統の基
センティオフォリアローズ 自然交雑種 大輪系で花弁が多い
ロサフェティダ 中東 黄花品種の基

これらからハイブリッドティー系(大輪四季咲き)・フロリバンダ系(中輪四季咲き)ミニチュア系(小輪四季咲き)の代表的な品種群が作られたといわれています。切花での流通はありませんが、最近はイングリッシュローズと呼ばれるオールドローズの四季咲きタイプのバラにも人気があります。

花の形について

バラはもともと一重の5花弁でしたが、品種改良が進むにつれて色々な形状のものが出てきました。その結果11種類に分けられます。切花では高芯で剣弁のものが咲き方が美しく良いとされていましたが、近年は丸弁で八重咲きのオールドローズタイプの花形にも人気があるようです。

 

名前 特徴
八重咲き 25枚以上の花弁を持ち、これらが開ききるまで芯が見えない
半八重咲き 花弁の数が25枚までで芯が見えるものが多い
一重平咲き 花弁の数が5枚で平らに開いているもの
剣弁咲き 花弁が外側に反っていて、先端の尖っているもの
高芯咲き 花弁が中心からむけるように開いて、中心の芯が高いもの
丸弁咲き 花弁が丸く、先端が尖らないもの
カップ咲き 外側の花弁がティーカップ状に全体を包んでいるもの
クオーター咲き 花の中心が1点にならず、4つぐらいに分かれたもの
抱え咲き 外側の花弁が下に降りずに中心を抱え込むようにして開いているもの
ロゼット咲き 花弁が重なり合って平らに並ぶような咲き方のもの
ポンポン咲き 小さな花弁がボール状に並んでいるもの

樹の形について

バラは木の形態から3つに分ける事が出来ます。切花で流通しているもののほとんどがブッシュローズといわれるタイプの物です。

 

名前 性質
ブッシュローズ
(木バラ)
茎が堅く、分枝しながら伸びるタイプのバラ。
ハイブリッドティー・フロリバンダ系統が含まれる。
シュラブローズ
(半ツルバラ)
モッコウバラのように茎が株もとから分かれてゆるい弧を描いて伸びるもの。
または直立するものの枝が自然に垂れ下がってくるもの。
ツルバラ ツル性のばら。
枝が2m以上になり、他のものにからまりながら伸びる。

香について

オールドローズやイングリッシュローズなどのガーデンローズは、たいへん香の良い品種が多いのですが、つるバラタイプであったり花弁が柔らかすぎて切花としての流通に向かないので、切花としてはあまり出回っていないようです。ガーデン用のバラは香やその独特な花形などを重視して品種改良が勧められました。一方、切花用の品種で強い香があるのは”パープルレイン”・”オンデイーナ”・”リーク”など実は数多くあります。しかし、基本的に切花用品種は高芯剣弁の花形・花色といった見た目を重視して育種が進められ、香りは二の次となっていました。そのため香りの良い品種を親として交配するよりも、花形や色の良い品種を親としてきた為、香の薄いものが多くなりました。最近は、ガーデニングブームのせいでしょうか香をバラに求める方が増えてきました。今後、香りを基にして品種改良が進むかもしれません。

香りの提案

棘について

バラになぜ刺があるのかはっきりとした定説はありません。ツルだったのでなにかに絡み付く為・外敵から身を守る為などと諸説あります。この刺も品種改良によって少ないバラも増えてきました。オレンジシャミラ・シャミラ・グランドガラなどがそうです。今後更にとげの無い品種は増えてきそうです。さて、切花購入したときに普通刺は取ってあります。これは取扱を容易にする為です。植物を傷付ける事になるので、悪影響はいくらかはあるでしょうが気にするほどのことはありませんのご安心下さい。

水上げと日持ちについて

せっかく購入したのに思いのほか花保ちが悪かった咲かなかったということがたまにあるようです。お店でバラを購入する時はなるべく鮮度の良いものを撰びます。ポイントは花首がぐらぐらしていないか、葉がぐったりしていないかです。バラは花首が弱い品種が数多くあり、はじめからここが弱そうな花は避けるべきです。葉がぐったりとしてつやの無いものは花保ちが悪いので避けます。次に水上げ方法ですが、これには様々な方法があります。水切り・叩く・焼くなどの方法が上げられるとは思いますが、ここでは水切りと深水を組み合わせた方法をご紹介します。この方法は誰にでもできますし確実です。購入したバラの余分な葉を取り除き、新聞紙で包みます。水の中で鋭利な刃物で、出来ればナイフで、茎を斜めに切ります。そして、全体の半分ぐらいまでの深さの水に2〜3時間つけるというものです。この方法は、@新聞を巻く事によって葉からの蒸散を防ぐ。A茎を水の中で切る事によって導管(茎の中の水が通る管)への空気の混入を防ぐ。B鋭利な刃物を使う事によって切り口の潰れを防ぎ、斜めに切る事によって切り口の表面積を大きくする。C深水につける事によって水圧による導管への水の浸透をよくする。などの利点があります。焼く方法はタイミングが難しいですし、叩く方法は茎のかすが生け水を汚してしまいます。この様にして水上げをした後、市販の花保ち剤を入れて飾って頂くと日持ちが良くなります。毎日切り戻していただくと更に良いです。飾る芭蕉は直射日光のあたらない風通しの良い所です。温度は25℃が限界なので20℃ ぐらいまでの所が良いです。

切花の専用の花保ち剤の中身は、殺菌効果のあるもの・養分を補給するもの(ぶどう糖)・植物の吸水を助けるもの(界面活性剤など)が主な成分です。最近は花店で添付してくれたり販売していますがいざというときにはなかなかないものです。そこで、御家庭でもすぐにご用意できるもので花保ちが良くなるものを列記しました。

 

花瓶に
入れるもの
入れる量 効果 理由
10円玉 1Lに対して1、2枚 殺菌効果 10円玉から溶け出した金属イオンに殺菌効果があるから
洗剤 1Lに対して1、2滴 吸水促進・殺菌効果(?) 洗剤に含まれる界面活性剤が水上げを良くする
漂白剤 1Lに対して1、2滴 殺菌効果 含まれる塩素に殺菌効果があるから
砂糖 1Lに対して10〜20g 栄養 養分を植物に供給する事により花の寿命を延ばす。ただし、砂糖だけを入れると水が腐りやすくなるので必ず殺菌剤を入れる事。
水温が5℃〜に保てる量 殺菌(?)効果 生け水の温度が冷える事によってバクテリアの繁殖が防げます。ただし常に氷がないと効果はありません。

庭・鉢での管理

バラの多くは四季咲き性で春から初冬まで花が咲きつづけますが、適切な時期に効果的に世話をしなければ株の勢いが無くなります。一般的な本には以下のように年間の栽培管理が記載されていますが、美しいバラを咲かせる為にはまず育てる場所に合ったバラを決め、そのバラの特徴を知る事です。

バラ栽培のカレンダー

 

施肥 薬剤散布など 管理のポイント
1 寒冷地以外は地中深く
元肥(寒肥)を与える
石灰硫黄合剤
6〜7倍液を散布
冬でも乾燥すれば水を与える
2 同上 石灰硫黄合剤
5倍液を散布
剪定 ツルバラの誘引。
大苗植え付け適期
3 春の芽出しに合わせて
化成肥料を与える
(窒素分の多いもの)
芽の伸長に合わせて
殺菌剤・殺虫剤を散布
芽出しに合わせて潅水。
枯れ枝は取り除く
4 同上 同上 同上
5 リン酸・カリを
多めに施す
うどんこ・灰色カビ病・
ハダニに注意
中旬より開花するので花後の手入れを。
新苗植え付け適期。
6 同上 同上 シュートの摘心。2番花が開花する
7 同上 同上 乾燥防止に敷きわらを。
8 下旬、夏肥として
寒肥の半分を施す
同上 摘心を続け乾燥に応じて潅水。
下旬より剪定。
9 整枝後の芽出し肥料と
して開花まで
15日おきに与える
黒星病に注意 整枝は5日までには行う。
台風対策。
10 同上 同上 中旬より秋の花の開花
11 苦土石灰を施す 同上  
12 寒肥 下旬に石灰硫黄合剤
10倍液を散布
防寒対策

たいていのバラは鉢植えが可能でベランダなどのわずかなスペースでも十分に楽しむ事が出来ます。

 

項目 方法など
土と肥料 赤玉6:牛糞4、または市販のバラ用土。時折液体肥料を与える。
植え替え 1年間育てると大きくなるので12月に1号大きな鉢に植え替える。
そのさい細根、病気の根を取り除く事。
剪定・誘引 春と秋の2回剪定を行う。秋は春よりも浅く剪定する。
誘引は芽が動く前の11月〜2月まで。
管理 ベランダに置くとアブラムシやハダニがつきやすいので注意。夏場は照り返しが強いので遮光などの工夫が必要。水は表面が乾いたらたっぷり与える。

切花以外の楽しみ方について

ドライフラワー
バラはドライフラワーとしても楽しめます。美しいドライフラワーを作る為にはドライフラワー用に花を購入する所から始めます。飾った花は乾燥させている間にどんどん開いてしまい、花びらが散ってしまったりするので避けます。乾燥させる方法はいくつかありますが、自然乾燥が最も手軽に楽しめます。窓辺や室内などの風通しの良い場所に素材をつるして乾燥させます。ポイントは、風が良く通るように葉を整理する事、素材を輪ゴムで束ねる事、梅雨時は避ける事。つるす場所は直射日光のあたらない風通しの良い場所です。これとは別にシリカゲルで乾燥させる方法もあります。密閉容器(タッパーなど)に半分ほどシリカゲルを入れます。その上にバラを置きます。更に上からシリカゲルが花びらの間にも入るように入れます。約10日で完成です。この方法を使うと花色を鮮やかに残したまま乾燥することが出来ます。

ポプリ
ポプリは植物の香を楽しむ為に、乾燥させた葉や花をブレンドしたものです。予め乾燥させたバラとラベンダーを1:1の割合で混合します。香に奥行きを持たせる為にグローブやシナモンをごく少量混ぜます。混ぜ合わせたものは暗い場所で1ヶ月ほど熟成させると柔らかい香になります。

価格について

バラの販売価格は他の切花に比べて比較的高いかもしれません。それはバラを作る為には様々なコストがかかるからです。一番大きなものは温室の暖房コストです。これ以外にも消毒や様々な消耗品がかかるので高くなります。ただし、最近は輸入品が多く出回ってきたことや価格破壊を行っている店が現れてきた為、比較的手頃な値段で購入する事が出来るようになってきました。
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