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2010年3月15日

国産と外国産の物日のすみわけ方

今日は台湾の黄菊、中国の白菊の入荷が大変多い。
国産だけでは足りないので、輸入品になる。小菊は沖縄が需要量を充たしているので輸入品はない。花のマーケットは国際化して久しい。物日は需要が爆発するから、品質の良い愛知・静岡・九州産のものを前から仕入れて、自分の鮮度保持技術でお彼岸に合わせて販売する買参人がいる一方、間際になって手当てをしようという人たちがいる。かつては間際になって買う人たちは当然相場がはねるわけだが、それでもよいとする専門店の人たちが多かった。しかし今では物日であっても普段の価格で売りたいと思うから、国産品プラス束売り用は輸入品になる。

台湾から黄菊とスプレー菊、マレーシアからスプレー菊、中国から白菊が物日の需要増のときに主に花束用として出荷される。では専門店で一本売りできるかと言うと、マレーシアのスプレー菊のように適地適作で、しかも飛行機で来ていて、市場に着いて品質にブレがないものは一本売りできるし、専門店が好んで買う。もちろん量販店も買い、マレーシア産のスプレー菊は世界で最も品質がよいとされる国産と比べても単価的には遜色がない。しかし台湾産と中国産は船便で、温度設定が出来るリーファーコンテナを使う。詰めすぎると冷気がまわらないから、40フィートコンテナで80,000本、200本入りで400ケースが1コンテナの目安だと言う。1コンテナ単位で荷を受けられる大手市場も開市日を選ぶ。例えば今日15日の月曜日であれば大丈夫だが、3月の第1週では荷は捌けない。そういうことで大手の卸売市場も中小の卸売市場も12日の金曜日と15日の月曜日のせり分は輸入品をドカンと売る。それに合わせて、その前に着いた荷物もこの日に出されるから、このコンテナの荷は良いが、このコンテナの荷は下葉が上がって使えないというように品質にバラつきが出てくる。ここが物日のときの台湾産、中国産の菊の弱点だ。

10年前と違って、輸入品だから(いつ切花したかわからないので)単価は安いということは一切ない。輸入品でも必ず品質の均一化が求められているのだ。また国内の産地に要望されることは、品質を持続し、物日のときに何本、どの等階級のものが出荷できるか、1ヶ月前には出荷先の市場に伝えておくことが必要だ。それをもとに卸は物日の営業計画を1ヶ月前に立てる。採花日表示や出荷計画は金額ベースで世界第三位の花の産地である日本の生産地の欠かせない仕事となっている。

P.S. 物日になると輸入品が増えるので、店頭での原産地表示、国産なら県別表示は消費者に選んでいただく上で必須事項となってきた。

投稿者 磯村信夫 : 2010年3月15日 00:00

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