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2012年5月14日

信頼のコロンビア産に品質問題

花き業界にとって春の最大のイベントである母の日が終わった。お天気に悩まされた母の日前であったが、お母さんに花を贈る人が多く、花屋さんは大忙しであった。

自分達ではどうにもならない外的な要因と努力によって成せば成る内的要因とがあるが、お天気や経済動向はどうしようもないが、今年の母の日は花き業界の問題として2つ流通がうまく行かなかったことがあった。
一つはコロンビア産のカーネーションの品質の問題があった。現地コロンビアの悪天候かマイアミの物流業者の問題か、まだ原因は特定出来ていないが、一年中安定して入荷しているコロンビア産のカーネーションに日本各地の卸売市場でクレームがあった。国産のカーネーションにおいてもGWの前半は暑い日もあったのでクレームが出た。国産は明らかに手が回らなかった為の咲き過ぎだが、コロンビア産のカーネーションについては、輸入商社が成田到着後、選別したにもかかわらず、信用を傷つけることとなって誠に残念であった。それが、5月4日の金曜日、5月7日の月曜日に日本中の市場で起こったことだ。

もう一つの現象は油代が高かったので需要がしっかり見込める母の日にあらゆる切花や鉢物が集中して出荷された。それは去年、3.11以降初めて絆消費で母の日から花が本格的に売れ始めたからである。花き業界人は価格に手ごたえを感じた。去年は荷が少なく何でも売れたので、今年も何でも売れると思って母の日に合せてしまった。普通に考えれば、ギフトの花に使われる花が小売店は必要なのであって、そのアイテム数は20くらいのものであろう。それ以外のものは7日の月曜日から安めとなった。

業界内で消費者が好む物を作り、流通させ、小売店はそれらを仕入れてお客様に喜んでいただく。この当たり前の努力をさらにしっかり行う必要がある。この努力を行った品目としてカーネーションの鉢がある。品種改良により窓辺に置けば蕾が必ず咲く物しか流通していない。だからプレゼントされたお母さんには長く喜んで貰える。こういった誰がどの段階で改善すればより消費者に喜んで貰えるか原因究明をし、次回の物日のサプライチェーン作りをしていかなければならない。原因究明を先ず行い、余熱が残っているうちに来年の母の日へ向けサプライチェーンの修復をはかっておこう。

注) コロンビアの花の輸出先順位2011年
第1位 米国  9億5700万ドル
第2位 ロシア 6100万ドル
第3位 日本  5000万ドル
第4位 英国  4400万ドル
第5位 カナダ 2800万ドル
(2012年5月09日コロンビアの輸出業者の業界組織であるASOCOLFLORESが発表した報告書のよるもの)
出典元:
Hortinews / CdM

投稿者 磯村信夫 : 2012年5月14日 16:01

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