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2013年11月18日

消費拡大運動とまず黒字化から

 先週15日の金曜日、もうこれ以上生産を減らしてはならないと、2013年12月のシンビジューム、ポインセチア、シクラメンの需給見通し意見交換会が開催された。これを皮切りに、松・千両と菊類の意見交換会を開催する予定だ。
 急遽、日本花き卸売市場協会のテストランとして会議を行った。内容を市場協会会員と生産協会を始め、その品物を作っている生産者の人たちと市場を利用している買参人の人たちに伝え、適切な年末相場を出す指針にしてもらいたいと思っている。
 特にここ2・3年、需要期を見込んで荷がどんどん増えてくると、良くて相場は横ばい。場合によって相場は安くなり、減り始めてから本来の相場になる。ラスト1、ラスト2の市で、適正相場になってもピークの時に売上げが取れていないから生産者はたまらない。
 かつては、国の花き室で会議を開催していたが、今はない。現在では何をどのくらい作っているかどうかさっぱり分からなくなってしまったので、極端に言うと勘だけで動くことになっていた。例え多いとしても、昨年は天候異変で少なかっただけで、過去5年の平均値からしたら、たかだか2~3%増、しかし前年対比で2割増なので、3割安や半値になってしまいかねない。
 数字を持っていない、情報を持っていないということは、デフレを加速することに今までなっていたわけだ。"デフレストップ"それが市場協会のこの会議の目的で、どう実行性のあるものにして行くかどうか、実行しながらチェックして行きたいと思う。
 
 さて、この15日の会合の中で、更に気を引き締めなければならないと思ったことがある。鉢物のシンビジュームやシクラメンの生産者から、経営状況について"1割良い、1割プラマイの線上、8割赤字"という恐ろしいことを聞いたからだ。
 これでは、作ってくれと言うのは無理だ。花屋さんも大変厳しい経営状況だという。消費拡大運動と各事業体が損益分岐点を下げ生産性を上げる。この2つを真剣にやっていかなければならない。
 スーパーやホームセンターにおいても、積極的に販売して行かないと、花は生鮮品だから一日おいただけで価値が下がって枯れていってしまう。何もしないで売れていくようなものではないのである。
 
 なぜここで小売の現場のことを言うのかというと、来年4月の消費税上げでしっかりと増税分の転嫁は出来るのか、納品業者は量販店やショッピングセンター、結婚式場や葬儀場などの業者に消費税抜きの本体価格で、納品価格の交渉が出来るのか。
 すなわち、表示カルテル・転嫁カルテルを花き業界で結び、消費税が3%上がってかぶらないで済むかどうか。このままでは危ない。市場は国から指導があるので良いが、仲卸から小売店まで売上高経常利益率が3%以上出ている所などあまり聞かない。何も手立てをしないとすると経営は立ち行かなくなる。
 しかも買い控えは来年6月くらいまで起こる可能性がある。花き業界は20世紀の後半、良い時が続いた。しかし、21世紀に入り赤字のところがある。これでは、花き業界全体を盛り立てようとしても難しい。

 経営とは変化させること。利益は酸素だ。各自経営をしっかりして消費拡大運動や新商品開発に取り組む。これをやらなければならない。
 私の考えとしては、生産者や花屋さんに黒字化と生産拡大、販売面積拡大をしてもらい、もう一度20世紀末に記録した市場ベースの売上げで6千億円を目指してもらいたいと思っている。その可能性は十分にあるのでやって行く。

投稿者 磯村信夫 : 2013年11月18日 14:31

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