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2015年12月21日

花き業界、金額ベースで下げ止まる。来年から反転の年に

 今年の12月は暖冬の為、需給のミスマッチが起こり、生産者も小売店も苦しい展開が続いている。昨年は通常の天候で陽気が引き締まっていたので、日々の出荷量や販売額は今年の1,3~1,4倍の金額で推移していた。生産者も、卸・仲卸も去年の金額を見て青くなっている12月の展開だが、特に小売店は、花き業界の最終ランナーとして直接生活者と接しており、悪戦苦闘の日々が続いている。まして今年は、松や千両が不作で割高だったので、小売店の苦労は大変なものだ。こういう時こそ、作柄、出荷状況を正確に小売店に繋ぐ等、流通業者の小売店への応援体制を強くしていきたいところである。

 一年間を振り返ってみると、天候に振り回されてきた感があるが、総じて需要はしっかりしていた。また、人手不足や高齢化、そして、円安により国内外の生産供給が不足した分、相場は安定して、暦年ベースで前年を2~4%上回る状況で推移してきた。

 切花は、花束や装飾の素材として流通する。小売店は素材としての花を使って花束やアレンジを作成し、お客様に自分の花が気に入って貰えたか、反応を瞬時に読み取ることが出来る。一方、鉢物は完成品が流通している。生活者と生産者に距離がある為、流通しているものが生活者に好まれるものばかりとは言えない。どこにでもある完成品の花鉢を販売する小売店は、値付けを上手にしないと売れ残ってしまう。従って、2015年、切花は堅調、鉢物類は軟調となった。生活者に喜んでもらえる鉢物類の商品化が、鉢物生産、流通業界の所得に繋がる。来年は鉢物業界が立て直す反転の年にしたい。

 2016年は、切花類の面積拡大と、天候異変に備えた生産・流通技術の装備を、また、鉢物類の時代に合わせた商品化を行えば、花き業界は確実に拡大へと進むものだと思われる。

投稿者 磯村信夫 : 2015年12月21日 12:06

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