2011年12月20日
vol.89 栃木のバラ
「栃木県」で連想するものを挙げてください。
チチチチチチチチチッ←秒針の音
日光東照宮、宇都宮餃子、那須高原、鬼怒川温泉・・・
では花でいえば?
チチチチチチチチチッ
栃木県といったらバラです。バラ!
栃木県のバラについてある仲卸さんからの評。
「サイコーだね。
とりわけローテローゼのクオリティは全国有数と言って間違いない。
仕立ても立派だし、バランス、花保ち、全てにおいて素晴らしい。
他産地と比べても、同じ品種でどうしてここまで花持ちが違うのかと思うくらい違う」
絶賛!!!
大消費地東京までちょうど100km圏内という好適地にそんなにいいバラを作っている産地があるとは!
ここまで高く評価される秘密を探りにいざ出陣!
紅葉の東北道を駆け抜け―――


向かう先は栃木県宇都宮市のヨコヤマ薔薇園さんと上三川町の斉藤武さん。

栃木のバラの二大巨頭にお邪魔しました。
こちらのお二人が栃木県のバラのクオリティを牽引しているといっても過言ではないでしょう。
こちらがヨコヤマ薔薇園の横山陽一さん。

前職「俳優」・・・ではありません。
なんだか岩城晃一と田村正和を合わせたようなスーパーダンディズムを感じます。
そんな横山さんに見とれていないで、ウンチク探検隊、いざ横山さんの圃場に潜入です!
シゴト、シゴト!
ジャジャーーーン!

ワオワオ,WOW,WOW!w(*゚o゚*)w
元気な葉が青々と茂っています!
このようなイバラの道から身を守るために、横山さんがこちらのエプロンをご用意してくださいました。

さすが横山さん!
用意周到!
ジャン!マグネットでカンタン装着ッ♪

これがあれば、トゲが衣服に引っかからずこの通りスイスイ歩けます。
あれれ~。ずいぶんと枝がなぎ倒されていますが、これは正常な状態ですか?
ワザト?(・_・?)
一糸乱れぬラインダンスを見ているかのような光景ですが、これはどうして倒れているのでしょうか。

「アーチング栽培(用語レベル★)といってね、バラを生産する技術のひとつなんだよ」
とダンディズム横山さん。
アーチング栽培?「(゚ペ)ハニャ??
そうなんです。これは、バラの枝が伸びてきたところで思い切ってグニャッと曲げて、

葉から多くの光を取り込めるようにする方法です。
こうすることにより光合成が促進され、株に効率良く栄養を送り込むことができるのです。
グニャッと折っても、また中心部から新しい枝がまっすぐに伸びてきます。
この枝をベーサルシュート(basal shoot:用語レベル★★★)といい、そのうちの太くてしっかりした枝(=採花母枝:用語レベル★★)を出荷用として育てるのです。
アーチのように茎を折り曲げて行くからアーチング栽培。
日本人が開発した画期的栽培方法のひとつ
(アッパレ!)で、現在のバラ栽培におけるスタンダードになっています。
倒された枝が日照量を確保して株に栄養を蓄える、残された採花母枝はその栄養を使って美しく生長する役割を持っているのです。

バレーボールでいうと倒された枝がレシーバー兼セッターで、アタッカーに栄養というトスを上げる、そして残された枝がエースとして市場に出荷される・・・ということなんですね( ^ー゜)b
「そうそう、私は働き蜂と女王様だと思っているんだ」
分かりやすい例えです。
倒す枝と残す枝の判断はどのようにされているのでしょうか。
「1株のうち倒すのは3本以上なんだ。だからまず最初に出てきた3本は倒す」
早く生まれた芽は倒される運命なのか~!! (+_+。) ガーン(悔)地道にガンバロ。
「3本倒してやっと株が充実してくるんだよ。
4本目からはその枝が製品に向いているかどうかで判断するんだ。もし曲がっていたら製品にはならないから倒す。

スプレーバラの場合は、長さが60cmになった時点でツボミが3つ付いていなかったら倒す。

あとは初蕾(はつらい=初めてツボミが付くこと)(用語レベル★)したときにツボミが曲がっていたり、葉に奇形があったりすると倒すんだ」
バラの場合、この小葉3枚か5枚か7枚で1枚の葉を形成します。
↓これで1枚の葉。

採花母枝の下に行くほど1枚を構成する小葉の数が多く7枚、上に行くにつれて5枚、3枚となっていきます。
バラたちが最も快適と感じる温度は24-25度、

最低でも18度、たとえ真冬の夜でもこの温度を下回ってしまうときれいに発色しなくなってしまいます。
(品種名:タージマハル)
あら?こちらの大きなボトルのようなものは何でしょう??

「酸素だよ」

酸素?(゚ペ)?
光合成のための二酸化炭素ならわかりますが、どうして酸素が必要なのですか?
「この酸素は潅水する水の中に入れるものなんだ。
植物の根も呼吸しているから、有機物を分解してエネルギーを得るときに酸素がいるんだけど、酸素飽和度が下がるとミトコンドリアで酸素を消費して、●∀й☆ΘΛ†Π・・・・」

ガラガラガラガラ(←シャッターの閉まる音)
ううぅぅ・・・・わがんねぇ(+_+;)チーン!
ココで一度、植物の根が持つ働きについておさらいとまとめをしてみましょう。
植物の根が持つ働きは一般的に3つあります。
① 植物を支える
② 栄養を吸収して上半身に送る
③ ②のために働くエネルギーを作り出す
③をするためには「空気」「水」「養分」の3大要素が不可欠です。
上半身の葉で光合成をして作られたでんぷんが根に送られ、根は自分で取り入れた酸素と送られたでんぷんとを結合してエネルギーを作り出すのです。
これが植物が持つパワーの源というわけです。このときにもちろん3大要素のいずれも欠けてはいけないわけですが、酸素が欠乏すると苦しい~~~~~!と窒息して元気がなくなったり、根腐れを起こしたりするのです。
なるほど!
つまり植物の元気の源を作り出すには光合成をするときの二酸化炭素だけではなく、根から吸収する酸素も必要だというわけですね!( ^―゜)b
「そうそう、ところが夏は酸素が不足しがちなんだ。
気温が高くなると酸素の飽和度が下がるから酸素が不足するんだ」
暑くなると次の2つの理由から酸素の吸収率が下がります。
① バラが活動しやすい適切な気温というのがあり、暑くなると
「うわ、あっちーのぉ(;´д`) あンまり動きたくねーだ」
と根の活動が弱まる
② 気温が上がると水中に溶ける酸素量(=溶存酸素量;用語レベル★★★)が下がる
「そういうときにいつもと同じように水をやっているだけでは、根が十分な酸素を吸収できずに植物の根の元気がなくなってきてしまうんだ。これも研究しながらなんだけど、そう思って水に酸素を送り込むようにしているんだよ」
そういうか! ('-'*)(,_,*)('-'*)(,_,*) ウンウン
「金魚を育てるときも水槽の中に酸素のブクブクを入れるでしょ。それと同じ原理だよ」
一方でもちろん光合成のための二酸化炭素は必要。
日の出直前の2時間程度、施設の中に二酸化炭素が充満するようこのように発生装置を使っています。

二酸化炭素発生装置の形っていろいろあるんですね。
話が少し前後しましすが、こちらは斉藤武さんの圃場にある装置です。

このように写真を撮っただけではわかりにくいのですが、実はボーボーに(!)二酸化炭素が出ています。

二酸化炭素濃度はどのくらいなのでしょうか?
「今は・・・312ppmですね」

これは高いのでしょうか、低いのでしょうか?
参考までに↓大田花きの会議室に置いてある二酸化炭素濃度測定器です。

12月某日の午前中の二酸化炭素濃度は540ppmを示しています。
自然界で二酸化炭素濃度はだいたい350-400ppmくらい、
人の少ないオフィスや会議室などで500-600ppmくらい。
そこに人が入ると800-900ppm。
このときに1,000ppmを超えると会議や授業をするにも集中力がなくなると言われます。
数人が密室にいるだけですぐに1,000ppmくらいには到達してしまうので、闊達なディスカッションをするためには、本当はこの二酸化炭素濃度が見える化されるといいですね。
また2,000ppmを超えると不快感を感じたり、眠気を感じたりする人が出てきます。
3,000ppmを超えると頭痛を訴える人も出てくるというレベルになってきます。
と、少し話が飛んでしまいましたが、植物の光合成が促される施設園芸などの環境においては、空気中の二酸化炭素は吸収され値が低くなりがちなので、このように炭酸ガスを発生させているのです。
この網はなんでしょうか?夏休みの昆虫採集用??

「チョウチョ採りだよ」
やはり!珍しく当たった??
「夏休み用ではないけどね^_^;
たくさんいるわけではないけど、チョウチョとかガはどうしても施設の中に入ってきちゃうでしょ。それを放置しておくと、卵を生みつけて大量発生しちゃうんだ。
薬でやっつける人もいるけど、うちは気づいたときに一匹ずつ人海戦術で対処する」
さすが横山さん!こうして使用する農薬を少しでも減らそうと努力をされているのです。
MPS※(用語レベル★★)も導入直後にいち早くご取得され、もちろん評価は文句なしのAです。
※Milieu Programma Sierlteelt オランダ語で「花き産業総合認証」の略。花きの生産流通において環境負荷低減に配慮したり、品質管理を行う企業・個人に対し認証するシステム。世界約30カ国が加盟、日本へは2007年に導入された。

「評価はBでもCでもよかったんだけどね。参加することに意義があると思っていたから」
圃場内の戸棚もこんなにきれい!

しっかり整理をされています。仕事は整理整頓から。
圃場心臓部へ
「ここは生産圃場の心臓部ね」


圃場の心臓?
どういうことでしょうか。ドキドキ❤
「今は生産管理は殆どが機械化されているからね、ここでバラにとっての最適な環境をコントロールしているんだよ。」

肥料と水を混ぜて潅水したり、気温や湿度を調整したり。
バラの管理は次の3つを適切に行うと収量がアップするといわれています。
① 温度
② 湿度
③ 炭酸ガス濃度
①が適切に調整できないと・・・
(温度が低すぎる場合は)ローテローゼなどの赤い品種は黒ずんでしまいますし、温度が高すぎると輪が小さく、また色褪せてしまいます。
②が適切に調整できないと・・・
灰色カビ病などの病気が蔓延してしまいます∑(゜◇゜;) ドキッ!
③が適切に調整できないと・・・
つまり二酸化炭素濃度が低すぎてしまった場合ですが、うまく光合成ができず、植物が栄養を蓄えることができません。

うわぁ!∑(゜◇゜;)
ほんとに心臓のようにガチンドクッ、ガチンドクッと脈を打ってポンプが溶液を送り出している!
鼓動のような音にポンプの動き、これはまさに圃場の心臓です。
「この音を聞いていれば、機械の調子が悪いかどうかが分かるんだ」
なるほど、この音は体調管理のバロメーターというわけですね。
あらら~ン、こちらのニャー様は横山さんの愛猫ちゃまですか?

「ネズミ捕りなんだ![]()
ヘビとかネズミって結構出没して、農作物に害を及ぼすんだよ。
特にネズミなんかはこのパイプをかじっていたずらすると、

養液が途中で漏れて苗のところまで辿り着かなくなったりする。
以前は薬やなんとかホイホイみたいのも仕掛けてみたけど、ダメだったんだよ。20年前から猫を飼い始めて以来、ネズミもヘビもいなくなったよ。
ネコがニャーと鳴くだけで全然違う。
これをニャオ効果(用語レベル???)っていうんだ」
にゃんと、ニャオ効果、絶大なり!
これも天敵を使った一種のIPM農法※(用語レベル★★)ですね。
※IPM農法=Integrated Pest Management(総合的有害生物管理)の略で、天敵を使って生産の邪魔ををする害虫たちをやっつける方法。農薬を使って退治するよりも環境や人体に優しい方法とされる。
大変ご活躍のニャー様のお名前は?見た目もゴージャスだし、よく働くし、ダンディーな横山さんちのニャー様だし、さぞかし高貴な響きの名前だったりするんやろにゃ~・・・ドラクロワとか?ダ・ヴィンチとか?はたまたシャルルとか?そんな感じ?
「ピーマン」
・・・(゜.゜)
こちらは出荷準備中!
跡継ぎのご子息貴一(きいち)さんは働き者!


わーいっ!(^o^)丿
やった、やった♪ OTA行きの荷物をご準備くださっています。ありがとうございます。
あらら?チョットチョット、出荷箱の中のこちらは何ですか?なにかの仕掛けでしょうか?

ワンダム??と書いてありますが、マンダムでもなく、アスワンハイダムの略でもなく??
・・・いったい何のことでしょうか??(゚_。)?(。_゚)?
「出荷するときにここの袋に水を入れるんだけど、このワンダムをセットすると箱を横にしても水がこぼれない」
なるほど~。そんな素晴らしい仕組みがあるんですね。どのような仕掛けになっているのでしょうか・・・?
このビニールの部分に水を入れて・・・フムフム

足元にペーパータオルを巻いたバラを入れる!と。

それから口をふさいでワンダムにセットすると・・・

ほらこの通り!
立てればこの通りバラの足元をしっかり保水、

横にしてもこのダムで水が流れ出るのをこのダムでしっかりとブロックしているのです。

また市場流通においても、横にしてローラーに流して自動分荷機に投入してもノープロブレム!
立てておいた箱をうっかり倒してしまっても、もちろん水が漏れて商品が傷むこともありません。
「水が漏れたっていう事故はほとんどないね」

なんと!すばらしい!ワンダホー!ヽ(‘ ∇‘ )ノ
「そうでしょ。ワンダフルなダムだから略してワンダムって付けたんだ。
水が止まる不思議なダムでもあるから不思議の“ワンダー”ともかけてあるんだよ」
これはなんと横山さんが開発したもので、特許をご取得されています。
この紫色の帯のようなものは何ですか?

「ひもで商品を固定するときに、商品が傷つかないように保護しているんだ」
でもどうして紫色?(゚ー゚?)(。_。?)
「色の効果だよ。緑色が映えるように反対色の紫を使うんだ」
なるほど~。補色効果ですね。反対色(=補色)を組み合わせることによってお互いの色を引き立てる相乗効果を狙った作戦ですね!
そういえば、スーパーに売られているチンゲンサイやホウレンソウなどの葉物野菜はよく紫色のテープで巻いてあったりしますね。
ウン探行きつけのスーパー(そんなのあるのか?)を覗いてみると、ホラこんなに。



↑写真だと少し青く写ってしまうのですが、本当は紫色。
あっちもこっちもグリーン系の野菜はことごとく紫色のテープで巻いてあるか、パッケージの印刷の字が紫だったりします!
あのテープの色にはそういう意味があったのかぁ(゚∇゚)ナットク!
補色効果、偉大なり!
足元もこのとおり通りきれいに脱葉(だっぱ=余分な葉を取り除くこと)(用語レベル★)され、さすが横山さんの性格や商品ポリシーを反映しています。まさに神は細部に宿る・・・!という感じです。

常にお客様の目線に立つ横山さんのクオリティは1993年にドイツのシュツットガルトの園芸博覧会でも認められた世界品質です。

横山さんがバラ生産で最も大切にしていることは何ですか?
「OTAとか仲卸さんとか、買い手との交流や頂く情報を大切にしているよ。
作るのは黙々とやれば誰でもできるし、システム化することもできる。
だけどコミュニケーションによる情報提供は人だけが持つ力だから、これを意識してうまく情報収集できるようにしているんだ」
なるほど生産はシステム化して機械心臓に任せてあるわけですから、人にしかできないことをやるわけですね。
横山さんはそもそもどうしてバラ生産を始められたのですか?

「うちの親は米中心の農家だったんだけどね、昭和45年から減反調整が始まって47-48年ころに花に取り組んだんだ」
その時取り組んだのは“ポットマム”(=鉢植えのキク)だったといいます。
「でも1年でバラに変更したよ。鉢植えだからポットに土が入っているでしょ。重いし、輸送のときも場所を取るし、花というよりも土を運んでいる感覚で採算も合わなくなっていったんだ」
その時に選んだのがバラというのはまたなぜでしょう?
「昔から人がやっていないことをやってみたいと思っていた。
へそ曲がりなんだよね(笑)。
栃木県ではバラを作っている人もまだいなかったしね。普及所の人からオランダのバラが売れているということを聞いてね、日本のマーケットでもきっとそうだろうと思って取り組んだんだ」
それで今の成功に結びつくわけですね。
「いやいや、成功しなかったよ。最初の10年はね。下積みだよ。

病気も出たし、その時は土耕栽培で始めたんだけど、土の扱いが難しくてね。
堆肥の入れ替えも大変だし、大変だから量産できないし。
土が新しければバラもそれなりに良くできるけど、改植をしないとだんだん品質が悪くなってくる。

新規参入してきた新人さんは私より良いものを作るし、自分の品質は思うようにならないし作業は大変だし・・・」トホホ
昨日今日始めた若手が、土が新しいというだけでご自身よりもちょっくらうまく作ってしまうわけですからね。
それはありゃりゃ(+_+)って思いますよね。
そこをどのようにクリアされたのですか?
「これを解決したのロックウール栽培(※後述)だったんだ。
ロックウールの生産が軌道に乗ってから」
「改植も管理も簡易化されたしね。
改植してリセットされたら必要なものだけを与えればいいわけだけだから、管理がマニュアル化できる。つまり特別な技術を持っている人じゃなくてもできるってことなんだ」
花きマーケットの難しさはなんですか?
「品種選びが難しいと思う。
例えば栃木であればイチゴが有名だよね。何の品種か分かる?」

と・ち・お・と・め( ^―゜)bですね?
「そう、栃木でイチゴを作るって言ったら、90%はとちおとめでOKなんだ。
トマトであれば桃太郎ね。

これを90%作ればOK。ところが、花は1品種90%生産はありえないでしょ。やっていけないよね。
この品種選びというのが難しいポイントでもあり、花生産の醍醐味でもあると思う。
同じ農業だけど胃袋を満たす産業と心を満たす産業との違いだよね。
花生産はとりわけデリケートなものだと思っているよ。ブライダルにも使われるしね。
生産というのはサービス業の延長なんだ。」
なるほど、「生産と販売」というのではなく「販売(のため)の生産」ということですね。
「生産して、市場や消費者が評価してくれて初めて価値が出るもの。
もてなすものであったりとか、喜んでもらえる花を生産することが販売に繋がると思うんだ。
色、形、花保ち、香り、荷姿、細部に足るまで評価ポイントになるからやり甲斐がある仕事だよ」
なるほど、このようなポリシーがあるからこそ細部にまで配慮されたパッケージ、品質へのこだわりというものが生まれてくるのですね。
バラ生産40年、振り返って思うことは?
「ここまでしかできなかったかと思うこともあるね。
もっと大きなこともできたのかな・・・とも。
でも、息子にも引き継げたし。こんなものかな」
コチラが横山さんと奥様、ご子息の貴一さん。

皆さんでポリシーを共有してこれからも高品質のバラをご出荷くださいます。
さて、こちらの菅原文太風ジェントルマンは斉藤武さん。(上三河町=宇都宮市のお隣)
ローテローゼのクオリティは日本一といっても異議を唱える人はいないでしょう。

「ローテの斎藤武さん」と枕言葉になってしまっているくらいです。
そのような斉藤さんのバラ生産の根底に流れる哲学を探りにいざ潜入です!

圃場を入るとするに目に入ったこの白いブロック。

これは何ですか?
「ロックウールだよ」
ロックンロールではなく、ロックウール(用語レベル★)です。くれぐれもお間違いのなきよう。
ロックウールとは玄武岩を砕いた上に焼いて作ったスポンジ状の人工培地です。
ロックウール栽培(用語レベル★)とはこれに苗木を植え、養分を含んだ水に浸けて栽培する方法です。
充分な養分を与えられると共に、根にも空気が行き渡りやすいので、生長が早いというメリットがあります。

このロックウールを使うことによって、それまで土耕栽培だったバラ生産に革命が起きました。
改植も養分コントロールもロックウールのお陰でスイスイ。
斉藤さん、バラとの出会いは何かきっかけがあったのでしょうか。

「大嫌いだったんだよぉ、農家がさぁ。サラリーマンに憧れてねぇ」
なッ∑(゜◇゜;) ナント!農家が嫌いだった・・・なんて。
ストレートッ!!
「うちの親はイチゴをやっていたんだ。
昔から“農家の長男は家を継ぐものだ”という共通認識があって、親に言われなくてもやるもんだという暗黙の了解のうちに農業高校に進んだんだよ」
でも農家は嫌いだし、イチゴは絶対やらないと思っていた斎藤さんが選んだ道はなんとコチョウラン。

え?コチョウラン?(._.)
バラじゃなかったんですか?
「そう。コチョウランを専攻したんだ。2年研修したのもコチョウランの生産だった。
でもいざやろうとしたときに初期投資が高くて少しためらいがあったんだよね。
そこで卒業する年に神奈川県の浜田バラ園さんに見学に行かせてもらったんだ」
浜田バラ園さんとは泣く子も黙る日本が誇る屈指のバラ生産者さんです。
小欄でもなんと第1回にお邪魔させていただいております。
「浜田さんのバラを見て“スゴイ!”と思ったことと鮮明に覚えているよ。
それまで切バラの圃場を見に行ったことがなくてね、壁のように両脇にドーンッ!と立つバラの株がすごく印象的だったんだ。
コチョウランと違って収穫までのサイクルも早いし、“すンげーなぁ、バラもよぉ”と思ってさ、ランからバラに切り替えることに決めたんだよ」

ご自身でそう決めたとき、お父上は何とおっしゃったのですか?
「そんりゃもう大反対だよ。栃木県に花で成功している人はいねがったからね。
栃木で農業するっつったら、なんといってもイチゴかトマトなんだよ。それを花作るってったら、もう変わり者扱いだよ」

その反対を押し切ってバラを作り始めたわけですね?
「あくまでも強引にね(笑)。
基本的には親と同じことをしたくない。
だから息子にも反対してほしかった。私と同じことをするのではなく、何か別のことをしてほしかったんだよ」
こちらがご子息の裕充(ひろみち)さん。斉藤さんの後継者です。

あ!間違えたッ!ヤバ!(p・Д・;)アワワ・・・
こちらはお孫さんの“いしづかようと君”でした。
すみません。ウン探としたことが!
改めましてこちらがご子息の裕充さんです。

↑もちろん左側の方ですよ♪
これは頼もしい!
「息子にはいつでも辞めていいよ。サラリーマンになれぇって言っているんさ」
斉藤さんご自身がやっていらしたことをご子息が継ぐということは、嬉しいことではないのでしょうか?
「自分で反対してやり始めた方が、途中で絶対ぶんなげねぇからいんだよ。
その方が諦めないで最後までやるんさ」
“信念”ということでしょうか。
「私もバラを始めて6年はダメだったね。切れないし値段はとれないし、感激を覚えた浜田さんのバラのイメージには程遠かった」
今と何が違ったのでしょう?
「やることやっていなかったんじゃないかな。やっている内容も甘かったんだよ。仕事をしていないっつうことだよね。

バラの生産は手間をかけないとダメ。昔は理屈だけで行動が伴っていなかったんだ。今は手間をかけるようになってバラを見る時間が長くなったよ」
最初の6年のうちに辞めようとは思わなかったのですか?
「挫折しそうになったことはいくらでもあったよ。技術も追い付かないし、稼げないし。
でも女房の協力と意地だけでやってきたんだ。
好きでやれれば一番いいんだけど難しいね。今の仕事が好きかっていったら、好きと言えない。まだプロになっていねんじゃねぇ」
日々バラと向き合いながら40年、まだプロになっていないのではないかとご自身を客観的に見る斉藤さんは、本当に仕事に厳しい方です。
ご自身で決めたからこそ、その選択に最後まで責任を持ち、日本一のローテという賞賛を得ても尚、ご自身のバラに満足することなく更に上を目指しているのです。
“入り(始めたきっかけ)が甘いと生産は続けていけない”と斉藤さんは断言します。
そのくらい生産は厳しく大変なものだということが斉藤さんの一言一言から伝わってきます。

生産に欠かせない資質とは何でしょうか。
「観察力だろうね。鋭くないといけない」
どこを見ているのですか?
「まず立ち姿全体を見て、バランス、花の大きさ、茎の1本1本や葉の1枚1枚に至るまで。
そして次に触ってみる」
何かおかしいと思ったらどうするのですか?
「ロックウールのpH値とEC値(※)(用語レベル★★★)をすぐ測るんだ。これでね」

※EC値=Electric Conductivity:電気伝導度
溶液の中に溶け込んでいるイオンの総量を示す値。単位はミリジーメンス(mS/cm)。
イオンの量が多いと電気が伝わるのに負荷がかかりEC値が高くなる。
ロックウールの養液栽培において、肥料分が多くなると電気が多く流れる性質があるので、肥料分のコントロールにEC値を目安にする。
この数値が高すぎると、養水分の吸収が悪くなり、延いては根の張りも悪くなり、植物が傷むことが懸念される。
なにやら体温計のようなものが出てきました。
これをロックウールに挿してpH値とECを計測します。
「それで肥料や水の量を調整して、正常値に戻す。
pH値は5.5-6.5、ECは2くらい。
それからまた立ち姿全体をよく見て、触っての繰り返し」
それでもきちんと直らないことはあるのですか?

「あるよ。その時は私の頭が三角になっちゃう。
バラは何年経ってもわかんねぇな」
斉藤さんが10年後に目指すものは何ですか?
「浜田さんに近いイメージのバラを作れるようになったらいいと思うね。
まだ全然追い付いていないけど」

増え続けるバラの輸入品について
2010年度のバラの輸入品率はおよそ20%。(数量ベース)

大田花きの取り扱いの中でも輸入品率高く、葉物、スプレーギク、カーネーションに次ぐ第4位。
このような現実を横山さんはどのように見ていらっしゃるのでしょう。
「“脅威”は感じないよ。
ケニアやインド、アフリカの生産者には日本のエンドユーザーのことまでは分からないでしょ。
例えば外国の人にソバとうどんの違いが日本人ほどよく分かると思う?」

うーん。。。c(゚.゚*)。。。わからないでしょう、恐らく。
よほどの日本フリークでない限りは、全て日本の麺類は全てジャパニーズ・ヌードル!で片付けられるだろうて。
「あるいは桃と梅、梅と桜の違いが分かると思う?」
まず無理ですね。そうか。
「でも日本人ならわかるよね。日本人には言葉を尽くさなくても分かり合える独特の感性とか世界観ていうのがあるでしょ。
日本のマーケットに出荷するには、この感性や価値観を分かっているということだけでも大きな強みだと思うんだ。
それにエンドユーザーの声を聞きたいときにはすぐに聞ける。エンドユーザーが近くにいるというのはこれも一つの大きな利点なんだよ」
輪(りん)が大きくてボリュームがあるだけが良い物ではありません。もちろんそれらも評価に値するのですが、日本人はそれ以外の多くの評価軸をたくさん持っているわけです。

横山さんはボリューム一本勝負ではなく、もっと精細なところで差別化しているのです。
「輸入品については、こっちでできないものを受け入れればいいと思っているんだ。
全体のパイの食い合いではなく、新しいものをどんどん提案してパイの大きさ広げてその中で棲み分けをしていくことが共存の道だと思っているんだよ」
斉藤さんも「バラは価値を決める構成要素が多く、許容範囲が広い」といいます。
花びらの形、色、輪のサイズ、香り、しなやかさ、展開するとともに変化していく表情。
バラはとても変化に富む花で価値基準が多様なので、輸入との差別化も有利なのです。
ヨコヤマ薔薇園、斉藤武さんの格言!
・ 初心貫徹。
何を作るかは自分の選択。その選択の責任を全うし、生産を究めるべし!
辞めたくなっても信念が支えてくれるでしょう。
・ 市場や生花店さんと絶えずコミュニケーションを取り、移りゆくマーケットのニーズをタイムリーにつかむべし!
マーケットに近いところでの生産は大きなアドバンテージ。
・ 消費が日本人なら生産も日本人であれ!
日本人の豊かで繊細な感性を理解できるのは日本人だからこそ。
守備範囲が異なる海外品とはうまく棲み分けよう。
消費者の皆様へひとこと
<菅原文太チックな斉藤さんより>

「私は皆様にリピートしてもらえるような花を作っていきたいと思っています。そのためには最後まで咲くバラをコンスタントに供給するようにしています。使ってもらえるかどうかは結果論。
皆様がご自宅で花を飾る場合には、その場所だけ配慮していただきたいと思います。エアコンの風が当たるところや直射日光が当たるところはせっかくの花の寿命を縮めてしまいますので、それだけは気を付けてください。
お花屋さんは延命剤を付けてあげてください」
<ダンディズム横山さんより>
「日本人男性は一般的にはシャイですが、奥様のお誕生日とか記念日とか是非バラを贈ってください。
バラの花保ちは限られていますが、バラ贈りの効果は長持ちします。費用対効果抜群です!」
横山さんのところは?
「毎日あげているから、効果は一生続くさ❤」
キャー(≧∇≦)!!!
なるほど、だからこそ(?)この風貌。

ダンディやわ~゚・:,。(✿ฺ❂ฺ◡ฺ❂ฺ)゚・:,。 (←しつこい)
この横山さんが毎日奥様にバラをあげて効果絶大というのは説得力があります。
※文中の用語レベルはウン探が勝手に判断した用語の難易度です。
★→基本中の基本!是非ここでマスターして♪
★★→花き業界常識の範囲内です。
★★★→ちょっとレベル高め? 頻出ではないが覚えておくといいかも。
■■■おまけ■■■
ところで・・・み・な・さ・ま♪
「バラ」の語源てご存知ですか?
なんと、バラはイバラの「イ」が抜け落ちてバラになったのだそうです。
イバラはトゲのある木の総称で「茨」「棘」「荊」などと書きます。
アバラではありませんよ。イバラです( ^ー゜)b イバラ
イバラのイが取れて花のバラ。
アバラのアが取れるとバラ肉のバラになります。
だいぶ微妙な違いではありますが、実際のモノは全く違いますのでくれぐれもご注意を!

ということで、小欄の読者のみなさま、本年も1年大変お世話になりました。
蛇足半分の回が多いにもかかわらずこのコーナーが続いているのも、みなさまが支えてくださっているお陰です。
深く深く感謝申し上げます。ありがとうございます。
2012年もこのコーナーを楽しんでご覧いただけるよう精いっぱい取材してまいりますので、どうぞ引き続き宜しくお願い申し上げます。
また来年お会いしましょう。
I wish you a merry merry christmas and a happy new year!
See you next year!!!

![]()
2011年5月30日
vol.85 前橋バラ組合(群馬県)
季節はバラの最盛期!
お庭のバラが今とばかりに満開に咲いているお宅も多いのではないでしょうか。
さて、ウン探はバラの生産者さんを訪問しました。やってきたのは“つ:鶴舞う形の群馬県!”(『上毛カルタ』http://www.jomokaruta.org/)
あれに見えるは赤城山~!ってちょっと霞んでいましたが、空気が澄む冬などは、麓のおうち1軒1軒までクリアに見えます。

す:裾野は長し 赤城山
前橋市は関東平野の北西の端に位置します。ちょうど関東平野が終わりを遂げるところにあるわけですね。
少し話が逸れますが、“鹿沼土”というのは園芸界であまりにも有名ですが、ご存知の通り栃木県の鹿沼から採れた土のこと。実はこの土、赤城山がその昔噴火を起こしたときに、西からの偏西風が吹き、栃木県に舞い降りてできたものです。栃木の土ですが、群馬県のここ赤城から飛んで行ったものなのです(!)
もしかしたらその時の風向き次第では、"前橋土"とか"日光土"とか呼ばれていたかもしれません。


はい、ここで話を戻しますが、この前橋は群馬の典型的な農業地帯で、昔から米麦養蚕(べいばくようさん=米と麦と養蚕)が大変盛んです。アノ国定忠治も赤城山の麓に農家の長男として生まれ、まさに米麦養蚕業に励んでいたそうです。
「赤城の月も 今宵限りか あれぇ~」
上毛カルタでは前橋が次のように詠われています。
け: 県都前橋 生糸(いと)の町
ま: 繭と生糸(きいと)は 日本一
昔ほどではありませんが、繭を作るお蚕の大好物である桑の畑は、現在でもこの周辺にたくさんあります。

さて、今回はその前橋でバラを生産する前橋バラ組合にお邪魔させていただきました。

前橋バラ組合の圃場は赤城山の緩やかな南斜面
にあります。赤城の麓なので土壌は火山灰が多く、傾斜と相まって、大変水はけが良いのが特徴です。
また、ら:雷とから風 義理人情というように、強いからっ風が吹き下ろします。からっ風とは、冬場に日本海側から流れてくる湿気を持った空気が新潟県と群馬県の境にある高い山々にぶつかり、日本海側で雪を降らせ、山より東側に吹き下りてくる湿度のない強い風のことです。

群馬のからっ風のことを「赤城おろし」ともいいます。
ここ前橋で農業をするときは、このからっ風さえクリアできれば、群馬県は冬場の日照量は全国第2位、災害も少なく、農業には最適な場所
・・・とおっしゃるのは、前橋バラ組合の組合長の大澤憲一さんです。大澤組合長はJA前橋市の代表理事専務という大役もお務めでいらっしゃいます。

大澤組合長のおっしゃる通り、バラの場合は施設栽培ですから、からっ風は態勢に影響なし!大変環境に恵まれている土地柄といえるでしょう。
前橋の環境が良いことはわかりました。では、その土地でどのようなこだわりを持って栽培しているのでしょうか。
こだわりは、なにしろ土耕栽培ということです。
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「植物は長年土で育ってきたのだから、土で育てるのが基本なんだよ。ロックウールなども良いのは分かるけど、長い植物の歴史の中では最近現れたものだよね。人間が植物に合うように作ったものでしょ。植物のことを考えたら、結局は土が一番いいんだよね」
メリットは以下の2点。
① 水や肥料を保つパワー(保水性・保肥性)に優れている
=「置換容量(ちかんようりょう)」が高い
② 断熱効果が高い
①「置換容量」ってなんですか(゚_。)??
なんだか耳慣れません。。。
「土が持つパワーのことだよ。
肥料分を土中に蓄えたりする力。土耕栽培なら他の人工培地よりもこのパワーが強いんだよ。だからいいものができるんだ」
②断熱効果って必要なのですか?←シロウト(-.-)
「バラの場合、地温は20-22℃くらいが適温なんだ」
ふむふむ、夏場はそれ以上に暑くなることが頻発しますね。するとどうなっちゃうのですか?
ピカーン!
「これ以上暑くなると生長が止まるんだよ。人間でも暑いと疲れるし、動きたくなくなるでしょ。植物も仕事をしたくなくなるんだよね」
なるほど、暑いとダレやすいのは植物も同じだったのかぁ・・・

「ロックウールやヤシガラは土に比べると断熱効果が低いんだよ。だからそれらを使う人は、一緒に段ボールも使ったりするでしょ。土は1cmでも敷けば断熱効果が全く違うんだ。暑さ寒さに強いんだよ。
ロックウール栽培をしている人は、昨年の猛暑で株が枯れてしまったという話をよく耳にしたよ」
なるほど、昔の日本家屋でも、土壁を使って、寒暖の差が激しい日本を快適に過ごすという工夫がなされていましたね。土耕栽培を取り入れている前橋では、歴史的な暑さを記録した2010年の夏でも、株が枯れるという悲運とは無縁だったのです。
土が持つ自然のパワーを利用する!これが前橋のポイントのひとつです。
今年の夏も期待できます!
ここで、もうひとつポイントをご紹介します。
前橋バラ組合は土耕栽培でも、ただの土耕栽培ではありません。
「少量培地(しょうりょうばいち)」といって、プランターで栽培する方法を採っています。
プ、プランター??
プランターって、あのプランターですか??
ま、まさかね。私がイメージする普通のプランターで日本屈指の品質のバラができるわけが・・・
^_^;ナイナイ。
う~ん、百聞は一見に如かず。ちょっと拝見してみましょう。

な、なんと!!∑(゜◇゜;)

本当に家庭用のプランターではありませんか!

え?チョット、チョット ・・・キョロ|゚Д゚*||*゚Д゚|キョロ
豪華なバラの足元は、“大地に根を張る大きな木”のイメージを覆すコンパクトな家庭用プランターを発見!これは農業界のパラダイムシフトか??
中国の纏足(てんそく)を思わせる小さな足元。これに植えて、高品質のバラを生み出しているというのでしょうか!?
どして?どしてぇ??どうしてそんなことができてしまうのでしょうか?
根っこというのは、①木を支える根(=主根)と②肥料を取りに行く根(側根、ひげ根)の2つのタイプがあります。
①はその株を支える根でこの根が、底に着くと生長が止まり、代わりに②の根が生長してきます。すると、花芽の分化が早まり花を早く咲かせることができるのです。
プランターではなく、直に地面に植えるとバラの根は勢いがありますから、どこまででも主根が深く突き進んでいってしまいます。それを想定して、最初の土壌づくりのときは、ものすごく深く土を起こす必要がありますし、それでは改植も大変です。
ではどうすればいいかというと、①と②の根のバランスを取ることが大切なのです。
それを考えた時に出た結論が、“少量培地”というプランター栽培。ホームセンターに売っているフツーのプランターにバラ苗6株を植えて栽培します。
前橋で使っていたのは幅18cm×長さ60cm×高さ15cmのプランターで、土量にして12リットルですから、1株当たり2リットル(ペットボトル1本ですね)の土で栽培しているわけです。
そう考えると少なくないと思われるかも知れませんが、1つの株から年間平均20-25本のバラを切って、4-5年で改植するわけですから、およそ100-140本のバラを出荷するのに、土2リットルです。
人で言うと畳2畳の生活といったところでしょうか。ですから「少量」培地といいます。
う~ん、結構窮屈そうなイメージですが、これ以上多すぎても少なすぎても少量培地の効果が薄れてしまいます。だいたい5-6株くらいが適しているようです。
あれ?この土の下に敷いてある白い布はなんですか?

「傘の布地だよ」
か、かさッ?(。_。).。??
「傘は水をはじくために油でコーティングして被膜を作っているけど、これは加工していない元の生地なんだ」

どうして傘の生地をこのようなところに使うのでしょうか。
「防根シートとして使うんだよ。普通の布ではバラの根が元気だから突き破って外に出てしまうんだ。これだったら大丈夫。肥料とか土とか有効なものだけはしっかり確保して、余分な水は流れてくれるんだ。根っこもしっかり止まる」
なるほど、これは考えましたね。
傘の生地なら水はけをキープしながらも、勢いが強い根はしっかり止まるようにできるのです。
実は、前橋バラ組合でもかつては地面に植える通常の土耕栽培をしていました。しかし、これでは連作障害の心配もあるし、植え替えの労力も本当に大変なものです。
そこで試行錯誤を重ねるうちに、この結論に辿り着きました。少量培地ならプランターをササッと置き換えるだけですから、作業性の改善という意味もあるのです。
高いところに張ってあるネットや頑丈そうな支柱は、以前の土耕栽培の名残です。

いや~、それにしてもすごいですね。世界のバラ生産者の中でも、ここまで細かく観察して生産の工夫を凝らしている方っていらっしゃるのでしょうか。日本人だけでしょうか。それとも前橋の方だけでしょうか。与えられた環境と、限られた資源や土地で、最大限の商品を作るために創意工夫を凝らす力というのが備わるのでしょうか。脱帽です。
いずれにしても日本の生産レベルは世界のトップレベルということが窺えます。
はい、少量培地による土耕栽培というのが2つめのポイント。
ん?これはどうしたことでしょうか。
打ちひしがれて、がっくりとうなだれているバラたちがいらっしゃいます。

挫折組でしょうか?┐(-。ー;)┌ヤレヤレ
「挫折組じゃなくて、“ハイラック”っていうんだ。きちんと名前が付いているんだよ」

と教えて下さったのは同じく前橋バラ組合の吉原一郎さん。大澤組合長がお忙しくて留守がちな場合は、吉原さんが組合を取りまとめます。
あ、すみません。“ハイラック”ですね!
インプットしました(*`◇´*)ゞラジャ!
で、ハイラックって???c(゚.゚*)。。。
「“ハイ(high)=高い”、“ラック(rack)=台、棚”でしょ。だから、高いところにある台ってことなんだ。つまり作業をするときの高い台。いつも同じ高さで作業できるように、植物の生理と人の作業性を考えて考案された栽培方法なんだよ」
バラはどんどん上に↑上に↑伸びていく性質を持っています。そのとき、「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」という性質を持っていて、最も高い部分(頂き)から伸びていこうとします。
出ました4文字熟語。これは必須単語です。
つまり、ここで折り曲げた場合は、この折り節が最も高くなるわけですから、ここから新しい芽が出て上に伸びていこうとするのです。
一度ここで倒すと、生長点が横にした長さだけ低くなるので、作業がしやすくなるのです。
放っておいて、どんどん高くなってしまったら、作業するのに梯子も必要ですし、作業効率が悪くなります。そこで、生長途中で一旦折り曲げておいて、高くなりすぎないようにするのです。これをハイラック仕立て法といいます。

横に倒したこれらの葉は、より広い面積で太陽の光を取り込み、栄養になります。
これも全てを倒すわけではありません。1株から立つ3-4本の枝のうち、1本かせいぜい2本。全てを倒すと新芽の生長が鈍くなってしまい、逆効果となってしまいます。この辺りに腕の良さが出てくるのでしょう。
はい、ここで本日はもう一つ4文字熟語を学びましょう。
「採花母枝」(さいかぼし)です。
“採花母枝”とは出荷できる花をつける枝のことです。

コレのことですね→

↑この場合は1株に3本の採花母枝があることになります。

↑この場合は4本。
一つの株からたくさん花を切ろうと思って多くの採花母枝を仕立てれば、それだけ花が採れ、効率が良いかもしれませんが、実際には花が小さかったり、品質が劣ったりします。何より大きくて丈夫な花を1本採るということであれば、採花母枝は1本でいいのかもしれませんが、それではなかなかコストを回収するほどの利益が出ません。
そこで、採算ベースに乗りながら、品質の良いものを収穫するには、1株から3-4本くらいの採花母枝を仕立てるのが良いとされています。1年に採花母枝1本から通常7回花を切ることができます。
3本の採花母枝 × 7回採花/年間 = 21本/年間(およそ)
先述した「1年間に採れる本数が21-25本」というのは、つまりこういうことなのです。
こちらは点滴チューブ。

病院の点滴のようにポタポタと少しずつ養液(養分を混ぜた水)を流せるようになっています。
こちらはコーナーウィール・・・とでもいうのでしょうか。

基本的には、消毒の際このマシンで自動で行うのですが、


葉の裏や細かいところなど、機械では行き届かないところはホースをグイーンと中の方まで伸ばして手動で消毒をします。その時にコーナーに引っかからないよう、このウィールがあるのです。
う~ん、うちのオフィスにも掃除機をかけるときに欲しい^~^!
難しいボキャブラリーをたくさん詰め込んだところで、ちょっとひとやすみ。
3.11の震災以降、前橋バラ組合が抱えるジレンマについてのお話です。
・・・前橋のジレンマ・・・
前橋バラ組合ではCO2排出削減のためにヒートポンプを購入、国内クレジットの売買契約を某大手電力会社と交わし、CO2排出削減にも貢献しながら、冬場の品質を確保していたところでしたが、なんと今年の夏は東日本大震災で消費電力15%の削減目標が・・・。これも達成できない場合はペナルティがあるそうで、冬場は燃料を使用しないようにしていたのに、今度は電力を使わないように・・・だなんて(:_;) せっかく今まで燃料を使わないよう奨励されてきたのに、今度は電力までもですか。少しでもよいものを消費者の皆様にご提供しようという前橋は、ジレンマと闘っています。
閑話休題、前橋バラ組合のこだわりは生産だけに留まりません。

まず採花。
「我々は1日3回切ります。」
えッ??(゚∇゚ ;)エッ!? 3回も?バラの場合は多いところでも1日2回だったりするのですが・・・一体、何時に切るのでしょうか?
「6時、11時、16時の3回だよ」
と吉原さん。
え、6時って朝の6時ですか??
「そう、朝5時半から切る人もいるよ。みんな早起きでね。冬の日の出が遅い時なんかは、ニワトリを起こして働き始める人がいるよ(笑)」
な、なんと!∑(゜ロ゜)ギョエ!!
ニワトリより早起きだなんて、皆さん働き者です。
それにしても、3回に分けて切る理由は何でしょうか。
「すべての品種で切り前を揃えるためだよ。バラは品種によって、
1. 朝開くもの![]()
2. 太陽光に反応して開くもの
3. 時間が経って開くもの
と大まか3つに分けられるんだ。それぞれの品種を見極めて、切るタイミングを図るんだよ。」
いや~、恐れ入りました。さすが観察眼が鋭い!
よく見ていらっしゃいます。ここまでできるのって日本人だけ?それとも前橋の人だけ?いずれにしても、いやぁ、参りました。
採花の次は「選別」。もちろん選別にもポリシーがあります。
「第三者による選別」です。

選別をする作業室には、前橋の生産者さんはほとんど足を踏み入れません。「良いものは良い、悪いものは悪い」と第三者による客観的な評価をし、選別を行うためです。その際に最も重視するのは「切り前を揃える」ことです。バラの場合は展開しているときのどのステージで切られたものかで評価が大きく変わるのです。

冷蔵庫をご案内くださる大澤会長

選別をする前もした後ももちろん冷蔵庫で保管します。
選別が終わったら次は梱包です。拝見していると・・・・[壁]д・)ジーーーー
なんだか完成させるまでの動きが少ない・・・。
業務を限りなく効率化し、必要以上に花を触ったり、動かしたりしていません。イメージ的には“サッ、サッ!”とやっているように見えます。動きの工程が、1作業に1つか2つかといったとてもスピーディで手際の良い印象です。

テープを早送りした「早い」というのではなく、工程数が少なく作業がスムーズなのです。

「そうなんだよ。花を動かせばそれだけ傷つくということだから、花への接触や移動は最小限に留めるんだ」と大澤組合長。

足元には水がこぼれないように作られたバケツを入れて、輸送中水が切れないように対処しています。


梱包の後は、市場への輸送ですね。“市場に届くまでが自分たちの責任”と輸送への取り組みも余念がありません。

選別の後梱包された商品は、速やかに台車に積まれ、その台車ごとトラックに積まれます。

それも作業場と繋がる扉からではなく、こちらの別の扉を開けると、搬出専用のトラックのプラットフォームになるのです。

う~ん、トレビア~ン♪
さすが、花の女王であるバラを傷つけないために、全ての過程において仕組み作りがなされているのです。

そして最後に、消費者の皆さんのところできれいに咲くようにした“咲き切る工夫”。

「まずは品種特性を知ることだね」と吉原さんはおっしゃいます。
もともとの品種による花保ちの差もありまし、開かせて出荷した方が良いもの、少し硬め(ツボミに近い状態)で出荷した方が良いもの。それぞれの品種に合わせた切り前を調整します。



そして水揚げはここ前橋の“きれいな水”で!![]()
切ったらすぐに前橋の奇麗な地下水に浸けて水揚げを行います。
実はその「すぐに!」がポイントなのです。どのくらい「すぐに」か?
バラは切られた瞬間に、切り口から空泡が入ります。この空泡がどんどん上にあがってきて、ちょうど首のところに来ると、ベントネックなどの症状を引き起こしてしまいます。
この茎の中の空泡がたくさん入り、水が入っていない部分が長かったりすると、ベントネックになりやすかったり、花保ちには大変悪影響を及ぼしてしまうのです。ですから、いかに短くして、水揚げをするかが勝負なのです。この勝負次第で、お客様のところでの花保ちに変わってきます。
それにしても地下水を使う必要性はあるのですか?
「地下水はカルキ分のない自然の水でしょ。植物にはいいんだよ」
何を隠そう、前橋の水はおいしいと全国でも有名なのです。
赤城山麓の水がペットボトルでも販売されていますが、その昔ペットボトルが普及する前に、缶コーヒーならぬ缶ウォーターが全国に先駆けを発売されたのもこの前橋市の水なのです。
そのようなおいしい水をたくさん飲んだバラは幸せだわ~+。*。+圉+。*。+☆□★+。*。+圉+。*。


ここまで仕組み作りができている前橋バラ組合の農業は、市場においても高い評価を得ていて、当然のように若い世代にも魅力的に見えるものです。
ですから魅力的な農業を実現している前橋バラ組合では、20代から40代前半を中心とした次世代が続々と育っています。
皆さんとても仲よし。全員で足並みを揃えていこうという協調性のある方々なのです。
それにしても、そもそも大澤さんがバラに出会ったきっかけは何だったのでしょうか。

昭和41年に農業高校を卒業された大澤さんは、その際に進路相談の先生から派米(米国に派遣)農業研修生制度というのがあるが、行ってみないかと言われました。米国での農業研修制度がとても魅力的に感じ、迷わず申し込んだといいます。研修制度の中でもいろいろとコースがあり、花の中でもバラコースを選びました。
“花では食べていけない。花を作る人は変わり者”という論調がまだまだ強かった時代にもかかわらず、そこで花を選んだ理由は何だったのでしょうか。
「先輩も何人か花をやっていたし、食べられないとは思わなかった。何よりやっぱりきれいだしね。
食べられるか食べられないかよりは、花が好きだった。だから花なんだよ。」
何年行ってらっしゃったのですか?
「2年。」
きょえ~w(゚o゚)w ワオー!
2年も米国(オレゴン州)に行ってらっしゃったなんて、それはもう英語ペラペラですね。バイリンガルの花農家さんて、かっこいいな~。

「米国に行ったら行ったで、それも大変。楽しかったけどね。真珠湾攻撃が記憶に新しい世代がまだまだ多くいた時代だし、有色人種差別も普通にあったからね。街で突然怒鳴られたりもしたよ(笑)」
その時に感じたことは?
「いろいろ経験を通して覚えたよ。欧米の雑誌を見ると、住居や花の写真などがたくさん載っていてね。高度成長期にあった日本も、いずれこうなるだろうと思ったんだよね。
日本が豊かになったときに、食べ物はお腹いっぱいになったらそれ以上はいらないけど、花の需要には天井がなくて、1人が2倍が欲しいといえば、純粋に需要も2倍になるわけでしょ。そこに花業界の将来性があると若いなりに思ったんだよね」
豊かになりつつあった日本を肌で感じていた大澤組合長は、生活文化面で先を行っていた欧米に日本の将来を重ね合わせていたのかもしれません。
そうして2年の研修を終えて帰国された大澤組合長は、昭和44年いよいよ自らバラの生産を開始します。
「ところが、自分でやってみると大変だったのなんのって・・・」
ハウスを建てるのにも十分な資金がなく、土地を売ってまで資金を集めたといいます。
「米国で仕事をしているときは、何(WHAT)をどのように(HOW)行うかは教えてもらえましたが、自分で農場を始めるときはWHATから決めなくちゃならないでしょ。“何をするか”から考えるのだから大変なんだよ。」
施設を建てたら今度はバラ苗の入手が困難!
当時は今のように簡単にはバラの苗は手に入らなかったのです。
「最初に建てた施設600坪を埋めるのに、2年かかったよ。当時のバラの先輩などに譲ってもらったりしてね。仲間や先輩、行政に恵まれて・・・みんなに面倒を見てもらったよ」

と謙虚に当時を振り返ります。
これが大澤組合長のバラ作りの原体験となりました。
こうして昭和44年に個人で始めたバラ生産は、45年に仲間を迎え、50年代には上向きに伸びていきました。55年には3人で1,800坪の施設を建て、共同出荷を始めました。(東前橋温室バラ組合設立)
56年以降、さらに仲間が増え、現在は12名にて約13,000坪、およそ70品種のバラを出荷するまでになりました。
広い圃場で皆さん作業中でしたので、全員集合とはいきませんでしたが、お集まりいただいた前橋バラ組合の方々で集合写真です。なかなか若い方が多いでしょ♪

「大切なことは助け合い。自分だけ良ければいいのではない。一人でできることは限度があるが、協調の精神を忘れずにみんなでやれば、相乗効果で個人の力の純粋な総和よりも大きくなる。コミュニケーションを取って自分の持ち場は自分で守る。これが“協同”の基本だよ」
前橋バラ組合の基本精神です。
大澤組合長にとっては「バラそのものが生活であり人生」。“バラ色の人生”とはこのことを指すこともあるのでしょう。
ろ:老農 船津伝次平(ふなつでんじべい)
船津伝次平とは、ココ前橋市出身の篤農家です。「明治の三老農」の一人で、従来の日本の伝統的な農業に、西洋の近代農法を取り入れ、この農法は全国に普及していきました。
なんだか赤城に流れる農業の才腕を感じます。
前橋バラ組合の格言
・ 人間よりも遥か前に生まれ、悠久の時を生きてきた植物は、ほかならぬ土に根を張ってきた。
土が持つ自然のパワーを利用し、やはり土耕栽培が鉄則と心得よ。
・ 土耕栽培で全国でも記録的な前橋の猛暑でも品質を維持すべし!
・ 少量培地で側根を発達させるべし。収量が上がり、栽培効率アップします。
・ 採花は1日3回。品種特性をよく観察して、それに合わせて採花のタイミングを図るべし!
・ 赤城の太陽と土と地下水を有効活用すべし!
・ 出荷作業は最少工程数にて!触れば触るほど、バラは傷つく!
スムーズな仕組み作りを実現すべし。
消費者へひとこと
毎日バラのある生活をしてほしいけれども、なかなかそうもいかないご事情もあるでしょう。せめて、記念日にはバラを使ってみてください。家の中でふと目をやるとそこに花がある、そんな生活をしてみてください。
お花屋さんへひとこと
店頭に並ぶ花は日々ご覧になっているかと思いますが、生産現場を知らずに、販売のときにご苦労されるお花屋さんはたくさんいらっしゃると思います。私たちはオープンですので、いつでもいらしてください。
今回学んだ四字熟語
「土耕栽培」(どこうさいばい)・・・人工培地ではなく、土に植えて植物を育てる一般的な栽培方法。
「置換容量」(ちかんようりょう)・・・土が持つ保肥パワー。
「少量培地」(しょうりょうばいち)・・・プランターなどの限られた容量の培地、またはそのような培地で行う栽培のこと。バラの場合は栄養を吸収する側根が発達しやすくなるため、収穫効率が良くなることが期待される。
「頂芽優勢」(ちょうがゆうせい)・・・その枝で最も高いところから上に伸びていくという植物の特性。
「採花母枝」(さいかぼし)・・・収穫用の花を付ける枝のこと。
「前橋バラ組合」・・・群馬県の赤城山の麓、前橋市において、全国でもトップレベルの品質のバラを作る生産者の集まり。次世代が育ち、技術も協調性もある精鋭生産グループ
・・・あ、これは四字熟語じゃなかった^_^;
2010年12月21日
vol.80 JAわかやま 興里農場 バラ ~和歌山県産地シリーズ~ 後編
和歌山県シリーズ後編は、JAわかやま興里(こうさと)農場からです。
こちらはJAわかやまのバラがセリで販売される様子です。
(QUEEN ROSEと記載されているピンクの縦箱がそれです)





まずは大田花きの担当者にインタビュー!
大田花きでバラ販売歴5年の担当者に聞いてみました。
興里農場のバラはどうですか?
「いや~、すごいよ!
あんなすごいバラ見たことないナイ。
大田花きのバラの中でも屈指の優良産地さんだよね。
トンカチのように丈夫でありながらホントに美しく咲くし、スタンダードだけでなく、スプレーの輪付きもすんごくいいのよね。
どうしたらこんなに立派なバラができるのかな。
特異なまでに豪華なバラは、一体どんなところからやってくるのか、ちょっとウン探で見てきて!」
('◇')ゞ ラジャ!
美しく乱れる興里農場のバラの謎に迫るため、大田花きバラ担当者から指令を受けJAわかやま興里農場へ潜入!
ウンチク探検隊、いざ出陣!タッタラーー♪
秘密の潜入です・・・といいつつ、正面からこんにちは~!
って全然秘密の潜入になっていない^_^;
ぬぬッ!Σ(゚д゚;) !?
な、なんとこれが噂の“トンカチバラ”ですね。
確かに茎もしっかりしています。
そしてあれもこれも、“今日中に出荷しなくてはいけないのではないか??”とこちらが心配するくらい大きく色付いたバラばかりです。


こちらは25年前から驚愕のバラ生産を手掛ける中村さん。

バラ作りのきっかけはなんだったのでしょうか。

「トマトを作っていたんやけどね、トマトの裏作として花を始めたんよ。その時はアルストロメリアとか、アネモネ、スイートピー、フリージアなんかを作ってたんやけど、そういう季節指数の高い花は、パートさんを雇っても休みになるとどっかいっちゃうんだよね~」
なるほど、つまりその季節にしか雇えないパートさんだと、また雇用しようと思ったときになかなか人員を確保するのが難しい。
そして、メンバーも交代するから、雇用するたびに一から教え直し。パートさんにスキルを蓄積していくことが難しいというわけですね。
「そうそう、だからパートさんにも通年で働いてもらえるものを作ろうと思って、バラにしたの。それもスプレーね」
ふむ、どうして当時はスプレーにこだわったのでしょうか。
「あ~、誰も作っていなかったから。それだけ」
そうですかぁ、“誰も作っていないから自分が作る!”というのは、ニッチでありながらリスクも高い。なぜ周りがやっていないかを見極めないと、成功するか失敗するかは表裏一体。
そのリスクを計算しつつ、「周りがやっていないから」というところにかけて実行されていくところが中村さんですねぇ。

品種選びの基準は何ですか?
「感覚ッ!( ^―゜)b
趣味ッ!
う~ん、でも一応自分の戦略に基づいてやっているんだよ。でもその戦略も毎日変わるからねぇ」
(゚-゚;)ウーン
もう少し教えてください・・・
「そやなぁ、ベースとして使ってもらえる花を導入するようにしてんねん。
“この産地のこれを買っておいたら安心”と思ってもらえる花。
欲しいから買うのではなく、必要だから買う。“なくちゃ始まらないよね”という品種という観点で選ぶねん。
花保ち剤を使ったとしても、それは魔法とちゃうからな・・・開いていない花が希望通りに咲くとは限らんやろ」
おっしゃる通り。
「それにもともと良い花、きちんと咲く花でないと花保ち剤使っても効かんやん。だから、そういう基準でも品種を選ぶね。
大型のパッカー屋さんの友人が多いからね。安心して彼らが納品できるものを提供したいやろ。裏切れんしな」
ビジネスパートナーさんを“友人”というポジションでご紹介いただきました。
大切なご友人と捉えていらっしゃるからこそ、信頼を裏切ることなく納品しようとする中村さんの姿勢が見て取れます。

「そういう観点で品種を選んどるけど、つまり大切なことは品種ではなく品質っちゅーことや!
品質を保つためにどの品種を選ぶか。そういうポイントやな」
ご自身でも育種されると伺いました。
「そうそう、そのときも感性でやるよ。でもなにしろ強くなかったらあかん!
花も樹勢も、何もかも強くあること。でないと中村セレクションからは落ちてしまうな。
例えばどんなに発色が良くてきれいでも、輸送に耐えられんかったら意味ないやろ。そんな花、エンドユーザーに届くときにはスカスカや。」
スカスカはいけません。
確かに、強さあっての美しさですよね。
「そや。弱かったらお客様にも迷惑をかけるし、出荷現場も大変や。
流通に載らん花は、畑でいくら良くてもお金にならん!」
確かに。
ホント、丈夫さを売りにしているだけあって、この茎、太ッ!∑(゜◇゜;)

ご覧ください。ちょっと太めの絵を持つボールペンと比べても、ひと回り太いくらいです。
これじゃぁ大田花きの営業担当をしてトンカチバラと言わしめるわけです。
納得、納得(゜ー゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)ウンウン
育種、育苗
そんな中村さんにとって、ご自身で育種していて良い品種に出合えるのは4年から5年に一度だそうです。
こちらの花をご覧ください。

中村さんが育種された品種です。名前はまだありません。
とてもきれいだったので、取材班もつい手に取って香りを嗅いでしまいましたが、形、色、香、三拍子揃ってとてもいい花ですね。
持った感じも茎が細い割にしっかりしていて、使いやすそうです。
「いや~、茎が細すぎてあかん。


市場の流行からしたら全てええかもしらんけど、バランス悪いわぁ」
えーーーーー!!!(+_+)
中村さん、ここまで条件が揃っているのにNGだなんて、なんてバーが高い!
こちらは交配した苗を育てる育苗室です。
接ぎ木したバラが活着(かっちゃく;根が張ること)するかどうかは温度と湿度が重要なポイントになります。
湿度が十分でないとすぐに枯れてしまうので、十分室内の湿度を保っておく必要があります。

みなさん、バラの接ぎ木苗をご覧になったことはありますか?
こちらがそれです。↓


こうして上手に茎を合わせてテープで巻き留め、育成したい品種(穂木;ほぎ)を台木(だいぎ;その株の根っことなる木)に接ぎます。
なぜ台木に次ぐ必要があるのかというと、ここに育種した1本のバラがあるとします。
これを販売用に増やしたい。すると、こうして1本のバラから育成用の枝をチョキチョキと切っていくわけです。
このとき切られた育成用の短い枝が穂木となります。
この穂木をプツプツと土に挿していけば、根が出てバラの株に生長するのですが、一般的にバラ、とりわけ若い穂木はデリケートで病気に弱く、大きくなる前に病気にかかってしまう可能性がとても高いのです。
そこで、直に土に挿すのではなく、病気に強いバラに接ぐことによって、病気にかかりにくい強い株を育てることができるのです。
台木に使われる品種はロサ・オドラータ(原種)やノバラなどで、これらの丈夫な台木に接ぐことによって、丈夫で樹勢が強いものができ、株全体の寿命も伸ばすこともできるのです。
中村さんもロサ・オドラータを台木にしています。
「樹勢も強いしな、丈が取れるわ」
なるほど、中村さんのトンカチバラの秘密はこの辺りにもありそうです。
こちらが台木に接ぐ方法で丈夫な株を作り、増やされた中村セレクションの数々です。




中村さんの手によって生まれた育種は興里農場の"K"が冒頭につき、“K-なんちゃら”という名前になりますので、どうぞご注目ください。

さて次に、生産の秘密にもう少し迫ってみましょう。
もしかして培地にワケあり?
「土耕栽培のときは土作りを重視していたんだけど、ロックウールに変えたときに買ったまま使うのではなく、独自にアレンジを加えて使ったんよ。
ロックウールでの十数種類の組み合わせで下に敷いてみたんよ。ゼオライトとかサンゴとかね。もちろんヒントは土耕栽培の中にあって、それまでトマト栽培などで研究したノウハウがあったからこそ、いろんな組み合わせを思いついたんやけどね。
いろいろやり始めたときに“土耕の水揚げはいいけど、ロックウールはイマイチとかね、いろいろ培地によって評価がまちまちなんよ。」
では何を・・・?
「これ」


ぬぬッ!
こ、これは切り花用の給水スポンジ?!!w(゚o゚*)w
「そうそう、給水スポンジを砕いて使ってんねん」
中村さんは切り花のアレンジ用に使う緑色の吸水スポンジを2cm角のキューブに砕いて培地としています。
でも、このスポンジだけでこの強くて美しいバラができてしまうのですか?
「うん!(≧∇≦)」(大きな声で元気良く!中村さんスマイル~)
え、ほんとですか??c(゚.゚*)。。。??
「その“うん!”の中には企業秘密も入っとる!」
そ、そうですよね~^_^;
聞いたあたしがウブすぎた。すみません。
「でも今の形に行きついてから、夏場ベッド内(培地の部分)に酸欠が起こらなくなったな。
潅水するにも保水に柔軟性ができて、根腐れがなくなったよ。
それにロックウールに比べ、花首も大きいものができるようになったよ」
すばらしーーー!一石二鳥も三鳥も・・・。
独自の摸索と研究で、他産地には真似できないバラができてしまうのですね。
核心は企業秘密にしても、強くて美しいバラの秘密のひとつは培地にもあることが分かりました。
他には?
切り前(採花のタイミング)にも何か理由が隠されていますか?
「あるで~。
うちはドレスフラワーで特許を取ってるんよ」
ド、ドレスフラワー??(・_・?)
ドレスフラワーとは、出荷時にバラの花の部分をネットで包んで出荷するというアイディアと技術のことです。

採花してからお花屋さんの店頭に置かれるまでの輸送中でも花は生長して開花を進めてしまいます。
その開花を抑えるためのものです。
このネットかけの発想が生まれた背景は?
「そうだね、ツボミで出してしまうとエンドユーザーのところで咲かないかもしれないという悩みがあるよね。小売店さんのところで開花調整などしてくれるのかもしれないけど、それも大変でしょ。
それに、ツボミで採花したものと咲かせてから採花したものでは日持ちが全然違うんよ。ツボミで出しても咲かないし、ベントネックになっちゃったりするんよね。
咲いたものの方が確実に長持ちするから開かせてから出したいんよね。
でも十分咲かせてそのまま出したら、エンドユーザーの手に渡ったときに、どんな姿になっているかわからないよね~。
そこで“咲かせて出荷”+“輸送中の開花を抑制”するための対策がこのドレスフラワーってわけ」
なるほど。
花は圃場で咲いたものが最も美しい。そして十分大人になって(開花して)強さを備えてから採花したものは、強さと美しさを両方兼ね備えているのです。
しかも長持ち!大人になって最も美しい状態で切ってそのまま飾ることが、最も長持ちするコツなのです。
ごく一般的にはこれくらいの開花で市場に出荷されます。


ここを中村さんのところではこの状態プラス2-3日圃場で咲かせてから、このくらいの状態で出荷します。


商業ベースに載せるとなると、切ってから飾るまでに必ず輸送が発生します。
その間のストレスをどのように解決するかということで生まれたのがドレスフラワーの発想なのです。


まあ輪(りん)の大きいことなんの!
「ウェディングで利用してもらう場合、お花屋さんが結構苦労して咲かせているんだよね。そうすると中には咲かないものもあるし、お花屋さんは大変でしょ。切るときの年齢を少し上げて、それを畑で咲かせてあげるんよ。そして、できるだけ切った瞬間の状態に近い形で消費者に届ける。それが狙いなんよ」
なるほど~。これだけ開花していてもネットでカバーすれば花びらが反り返るほど開いてしまうことはないわけですね。

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若いのはかわいいけど大人のお話はできない。できるだけ大人に開花させて出荷したいけど、老化との矛盾がある。その問題をネットでカバーしようということですね!
このネット、リアル女性にも欲しいアイテムやわ~(≧∇≦)


実は取材班も市場でこのネットを見たことあります。
国内品のみならず海外からの輸入品でも見ますね。
しかし中村さんのパテント案だったとは存じませんでした。
「そや、海外の人もみんなマネしてんねん。
ほんまはパテントやから勝手に使ったらあかんねんで」
恐れ入りました・・・。
「結構みんな無断で使っているんよ。
無断で使っていたら処罰の対象になるから、みんな気を付けて!」

でもどうしてこのタイプのネットに辿り着いたのでしょう?
「まず一つは伸縮性のあるもの、これは大切だよね。作業上も商品保護上も考えてね。
女性のストッキングとか、果物を包んでいる保護材なんかでもやってみたんやけどね・・・虫も入るし、いろいろ試した結果、今のこれになったんよ。パッキングするときに緩みを持たせないと、花びらにネットの跡が付いちゃうでしょ。そう、緩みも大切」
中村さんは、このネットはお花屋さんではなく“エンドユーザーに渡った時点で取って欲しい”とおっしゃいます。
それは、このネットには花弁の保護と開花抑制の2つの意味があるからです。
このネットはエンドユーザーのためのものなので、エンドユーザーに届くまでは外さないでね♪と中村さん。
どのタイミングでネットをかけるのですか?
「採花の5日前から1秒前まで!」

ふむ。このあたりのルールはだいたいで大丈夫のようです。
なんて教えていただきながら、圃場を見渡してみると、このようなものが・・・この数字入りのカートは何でしょうか。



「サイズを測るメジャーの意味もあるけど、トゲで葉や花が傷まないようにこのウィール付きのこのカートに入れていくんよ。
それぞれの長さに合わせ置いていき、長さの異なるバラが上下に重なることはない。
そうすれば下に置かれた花への負荷が最小限にとどまり、傷もほとんど付かないねん。」
ふむふむ(゜-゜*)、なるほど。
「右手で花を切ったら流れ的には左手で抱えるやろ。それをやったら下に持った花や葉は傷つくやん。だからこれ(カート)を使うねん」
人の腕で抱えるってことは少なからずバラの重み以外の力がかかりますからね。
このような細やかな心遣いと創意工夫で、興里農場のバラは葉もきれい!
だからこそ、中村さんは自社のバラをQUEEN ROSEと名付けてブランド化しています。
←看板最上部に「QUEEN ROSE」と書いてあります。
どうしてKINGではなくQUEENなのですか?
「花は男性ではなく女性やねん。なーんでKINGにせなあかんねん。」
あ、これまた愚問で失礼いたしましたッ!m(_ _)m

「QUEENやしな、丁寧に作ることだけは心がけてるよ。傷つけたり汚したりしないように」
そうですね、ウェディングなどで使っていただくためにはキズものはいけません。
冷蔵庫に保管するときも長さをきちんと整理して長いバラのトゲが短いバラの花びらを傷つけることのないよう細心の注意を図ります。
そらもう、トゲとトゲの間に花が挟まろうものなら、出荷前に八つ裂きですわ。

この辺りの細やかな配慮や工夫はさすがです。
ユニークダイバーシティ : イスラエルへ
何でもイスラエルに頻繁にお出かけになっていたとお伺いいたしましたが、何のために?
「そうそう、某大手企業が日本に農業資材を輸入しようというときに、イスラエルの窓口になったんよ」
花き業界の多くの人がオランダやドイツ、フランスに出かけて花業界の発展に向けて様々なことを吸収しようとしているときに、中村さんはイスラエルに目を向けていました。
それもバラの品種を見に行ったり、農業資材を見に行ったり・・・何回か見ているうちにイスラエルが面白くなってね。
1990年代ころは隔月でイスラエルに出かけていたよ。
気候もイスラエルは地中海性気候でも南端の方だから、西岸海洋性気候のオランダよりも暑さ対策では参考になることが多いんよ」
冬の寒さはどうにでも対策が打てます。しかし、日本の夏の暑さはバラの生産者さんにとっては毎年異常とでも言いたくなるくらいやっかいです。
ですから、倣うべきはオランダよりもむしろイスラエル、ヒントはイスラエルにあると中村さんは考えたのです。
「そうしているうちにイスラエルに色々知り合いができてね、ある日『エコノミスト』というイスラエルの新聞の一面に載ったことがあるんよ。」
な、なんと∑(゜◇゜;)
「そこからまた芋づる式に知り合いが増えてね」

と思ったら、何と日本の雑誌にも掲載されているではありませんか!
経営と技術と商品の情報誌『農業経営者』(1998年11月号;㈱農業技術通信社発行)のグラビアを飾る中村さん。
かっこええなぁ~(*´ -`)![]()
これはもうグラビアアイドルならぬ「グラビアファーマー」ですね!
ところで生産はどのように学ばれたのですか?
「僕ね、(技術などを)盗むの得意なんですわ。
師匠みたいな特定の人に教えてもらったことはないんやけど、(圃場に)3回くらい見に行ったらだいたいわかるな。
とりわけバラは誰の生産も参考にしてない」
え?ではどうやって?
「トマトの栽培が原点になっているし、90年代当時から南米やイスラエルを見て歩いているのでわかってしまったよ」
生産の基本がインプットされているから、1を見て10を知ることができるということでしょうか。センスがあるのでしょう。
「海外の産地の人がうちに来て、圃場を見ると“FANTASTIC!”や言うねん(嬉)♪」
中村さん、このグローバル社会の中、海外の一流産地が見学にいらして彼らに“FANTASTIC!”と言わせてしまうこと自体が“FANTASTIC!”ですよ。
「オランダの或るバラの種苗会社の社長に“お前んとこのバラ見たら、海外の産地はジェラシー覚えるでぇ”と言われたこともあんねん」
って、その社長さんはさすがに和歌山弁ではないとは思いますが、そんなことまで言われるほど生産を評価されるなんて、OTAのバラ担当者がすごいすごいと言うはずですわ。
おっと、このピンクのカーペットはなんでしょう?



「オキザリス“ディープオマ”や」
中村さんはバラの育種、生産だけでなく、ほかの花苗の育種や育苗もやっていらっしゃいます。
こちらは中村さんが育種されたオリジナル品種のディープオマ。種苗登録されています。
「パテントはしっかり取らなあかん。“整理をする”ということやわ。無秩序は良い物を世に出させなくなってしまう。そしたら日本の花き産業はダメになってしまうやろ」
なるほど、中村さんの視点は単なる“良いもの生産”ではなく、日本の農業をさらに活性化するところにおいていらっしゃいます。
ミクロの目とマクロの目。中村さんは農業経営者として両方の目をお持ちです。
そのほか和歌山県の主力品目でもあるスターチスなどの育苗も行っています。
中村さんにとってバラとは何ですか?
「生きる糧やな。命やわ。
LIFEでありEVERYTHING。
何物にも代えられん。
寒いも暑いも生活の全てバラがバラ生産に関する思考に繋がる」
10年後の夢は?
「日本でトップ産地の一つになりたいな」
もうなっていらっしゃるのでは?
「いやいや、バラでクイーンローズいうてもまだまだエンドユーザーはわからんやろ。雑誌にもあまり載らんしな。
上から◎傑みたいな名前を連ねる産地として、エンドユーザーに認知されるようになりたいわ」
興里農場の格言
・ 生産するときは常にエンドユーザーを意識すべし。
また業務用のバラは仕事をされる方が使いたい状態まで圃場で咲かせて出荷すべし。
・ 品種選びの品種はひたすら「強いもの」。強さあっての美しさ。美しいだけのバラは流通に載せるべからず。
・ 独自性を生かすべし。人の後を追っているだけでは、その人と同じものしかできないということ。
・ ドレスフラワーはただの網かけローズではない!
バラ人生の中で最も美しい状態を保つための老化防止効果の高い秘密兵器であった!
・ 花の取り扱いは丁寧に行うべし。皆がやっている当たり前のようなことに聞こえるかもしれませんが、そこに創意工夫を施すことによって、最後の品質はグンと違ってくるのです。
消費者の皆様へひとこと
どこの花より1日でも長く持つバラを作ります。
同じ品種で他産地と混ざったら、「これは興里の!」とわかるくらい顔がある産地。
それがREMARKABLE(リマーカブル;際立っている)であるということです・・・という産地であり続けるよう努力しますので、宜しくお願いします。
興里農場の「興里」とは「里を興す」の意味。
「設立当初は周りの人と一緒に花をやって産地として形成できるようにと思って始めたんだけどね。今はうちだけだよ。お金の問題ではなく、花が好きじゃないとできないでしょ。」
ここにもまたひとりFLOWER PEOPLEを見つけました。
【番外編】
こちらは中村さんのご自宅です。



スッ、スゴイ!!!ヽ(*゚O゚)ノ
築60年、造りは歴史を感じさせますが、とてもきれいで良くメンテナンスされている感が漂います。
しかも、お庭(「庭園」ていうのかしら、こういうの??)には塵ひとつ落ちていない!


あの煙突、ご覧ください。今ではかなり珍しいそうです。
【CM】 JAわかやまのジンジャーエール
中村さんが大田花きにご出荷される際は、輸送効率を考えJAわかやまを通じて出荷されます。

そのJAわかやまから販売しているのがこちらのジンジャーエール。
ショウガの生産量が高知県に次いで全国第2位の和歌山が、その特産であるショウガを使って開発した商品がこちらです!→
お味は・・・?
(* ̄O)◇ゞ ゴクゴク・・・
う~ん♪
とぉってもジンジャリー(≧∇≦)!!
こんなジンジャーエール、いただいたことがありません。
ジンジャーエールというより“ショウガまるごとドリンク”って感じです。
風邪をひきそうだったので、こちらを少し温めていただいたら、すっかり良くなってしまいました。
【松下幸之助】
世界的に有名なのは中村さんもそうかもしれませんが、こちらの松下幸之助さんもご存知ない方はいらっしゃらないでしょう。
言わずと知れた現在のパナソニックの創設者であり、経営の神様との異名を持つ日本を代表する実業家です。
1894(明治27)年、和歌山市(旧海草郡和佐村)にお生まれになりました。
なんと中村さんはこの松下幸之助さん生誕の地から目と鼻の先にあるのです。
こういった偉人を育てる土壌がある和歌山県はさすがです。

それではみなさま、本年もウン探をご愛読いただきまして、誠にありがとうございましたm(_ _)m
2010年の締めくくりは、来年に繋ぐべく「末広がりの8」、「vol.80」で縁起良く幕を閉じることになりました。
どうぞ2011年もウン探を宜しくお願い申し上げます。
we wish you a merry merry christmas & a happy new year!
see you in 2011!
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<写真・文責:ikuko naito@花研>
2008年10月 5日
vol.67 宮城県 梶農園
「箱を開けて見れば、分かる!」と評判のバラがあります。定評があるところには、かならず何かがあるもの・・・いったい何が違うのか、それはどんな風に作られているのかを知りたくなります。そんな期待にお応えするべく、ビデオカメラひとつで産地さんに飛び込むのが、われらが産地ウンチク探検隊です。
それでは、さっそく今日の舞台をご紹介しましょう!
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?宮城野のバラを訪ねて?
風光明媚な自然から食材王国とも呼ばれ食通をうならせる豊かな大地、さらに今、開発まっさかりの仙台スポット!自然と都市がミックスされた不思議な魅力を持つ宮城県。
仙台からほど近く、古くから宮城野と呼ばれるその地を訪ねたウンチク探検隊は、東北のバラ産地「宮城野バラ工房 梶農園」と出会いました。

?梶農園に到着!?
晩夏の9月下旬、宮城野は早くも涼しい秋の風・・・のどかな田園風景には仙台米が穂を垂れています。

さすが東北地方というだけあって、夏は暑くも寒くもカラッとしているのですが9月下旬ともなれば肌寒いくらいです。夏がカラッとしていることはバラにも良いらしく、夏場に作る宮城のバラは品が良いことで有名だそう。
着きました!ここが梶農園です。出迎えてくださったのはお父さんの丹野敏晴さん。2008年バラ会議ではパネラーとして大活躍された、息子さんの岳洋さんも肩を並べていらっしゃいます。大きなハウスが軒を連ねていますね!どれくらいあるのですか?
「ハウスは15?16棟、広さは3000坪ぐらいあります」とお父さん。

「どうぞどうぞ」と事務所に案内してくださるお二方。岳洋さんが煎れてくださったコーヒーに暖まりながら、しばしお話を伺いました。
「バラをはじめたのは昭和55年、それまではカーネーション栽培でしたね。」と歴史を振り返るお父さん。
梶農園のバラの歴史は、今年で28周年を迎えるんですね。かくいう私自身も同じ年なので、何だか親近感をおぼえちゃいます。
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事務所の壁に「MPS」のポスターを発見しちゃいました。「去年5月からMPSを始めたんですよ。」と岳洋さん。MPSというのは環境に配慮した花づくりに取り組む生産者に与えられる国際認証、いわばお墨付きのようなものです。
海外でさかんですが、日本国内でもMPSに取り組む花の生産者がどんどん増えてきていますよね?
でも・・・一体どんなことをやっていて、どんなふうに環境に結びついているのか?は意外と分かっていなかったりして。
のちほどゆっくり、MPSについても教えてください!
バラを見たくてソワソワ落ち着かないわたしたちを察してくださって(?)、イスから腰を上げた岳洋さん。
「まずは選花場を見に行きましょうか。」
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?「切り前」と「選別」へのコダワリに迫る?

ここが選花場。けっこう広いんですね。
バケツにはきれいなお水。
「採花のたびにバケツを洗って水を全部取り替えて、雑菌が入らないようにしてるんです。」と岳洋さん。
そうですか、ということは一日に何度も水換えを・・・という私のひとりごとに、「でも当然のことなんですよ。」と何でもないような岳洋さんのお返事。
真っ先に目に飛び込んできたのは、市場でもお客さんから定評がある丹野さんの「アヴァランチェ」。
けっこう、咲いてますね。バラはもっとつぼみの小さいうちに採花するのだと思っていましたが・・
「バラの切り前と選別には一番神経を使ってます。花屋さんからお客さんの手元に届く日数を計算して、お客さんの手元で咲くように”切り前”を計算して花を収穫しますから、たとえばアヴァランチェはこの状態がベストなんです。これよりも小さいつぼみのうちに採ってしまうと、きれいに咲かないんですよ。」と岳洋さん。
切り前というのは花を採るタイミングのこと。
なるほど、そうだったのですか!ある程度花を大きくしてから出荷するというのは、その分、手間がかかるんじゃないですか?

「もちろん、花を傷めないようにあれこれ工夫していますよ。バケツは出来るだけゆったり使って詰め込みすぎないようにしたり・・・。」
あっ、本当だ。バケツはゆったり。ただ置いておくときも、花をネットや農薬の袋でていねいにくるんでいます。

よく見ると1本ずつ手選別されていました。
「品種によって、花を採る切り前はまったく違いますね。今はようやく花を見て感覚的に判断できるようになりました。」と岳洋さん。
ハウスの中を見渡して遠くから花のつぼみを見つけ、切るか、切らざるかを一瞬で判断するんだそうです。
「いちいち近付いて見に行っていたら、1本切るにも時間がかかっちゃうよ!パッと判断しないと。」
まるで鷹の目・・・!経験と職人技ですね。お客さんの手元で咲かせる、そのためだけに1本1本ここまで気を遣われている梶農園のバラ。
ここまで丁寧に扱われてキレイに咲かないワケがありません。
実際に「アヴァランチェ」をはじめ、なかなか咲かないと言われている大輪系のバラも、梶農園さんのところなら心配ないとお客さまからご指名での注文も多いとか・・・やっぱりお客さまが一番良く見抜いていらっしゃるんですね。
お客さまに見て楽しんでもらうために「産地では出来るだけのことをする。別に特別なことはしてない、当たり前なんですよ(笑)」という岳洋さん。
う?ん・・・掃除でも料理でもバラづくりにおいても、「やって当たり前なこと」と言われていることほど地道で手間のかかること、ですよね。当たり前をちゃんとやるって大事なんだなぁ。
大きな冷蔵庫の中を拝見。庫内の温度は5度、かなり寒いですね。

除湿機を置いて湿度を保っているんですね。あっ、こんなところに梨が(笑)

これですね、切り前が見事にそろってます。全部同じつぼみの大きさ。良く咲くバラはこの時点で違うんだ、ということが一目見て分かります。
選花場に戻ると、パートさんたちがきびきびと手作業で花を選別されていました。切り前を見極めた採花も、選別もすべてパートさんたちが全部心得ていらっしゃるそうです。

「パートさんたちは全員プロですよ。」お父さん。
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?魅力的なラインナップに迫る!?
梶農園では、どんな種類のバラを作られているのでしょうか?ハウスを見学させていただきながら、おさらいしてみましょう。
その1、人気の高い定番のバラ

「ザ・テレサ」 「ローテローゼ」 「エスタ」 ・・・みなさんも一度は手にしたことがあるはず!
その2、ゴージャスな大輪カップ咲き

「アヴァランチェ」 「スイートアヴァランチェ」 「ロッソクラシコ」
その3、ユニークな花色

「ラナンキュラ」 「レッドラナンキュラ」 「アローフォリーズ」
その4、変りダネ

「ラ・カンパネラ」 「エクレール」
その5、最新品種

「アムネシア」 「ピーチアヴァランチェ」
何かしら興味を引かれて、欲しくなってしまうバラがありませんか?
とくに、切り前や選別に神経質なほどこだわっている丹野さんのバラだからこそ大輪カップ咲きは、間違いなしに生きてくると思われる品種構成です。
「品種構成では、花色の配色バランスには気を遣いますね。お客さんは花色を見て買われますから。
あとは1輪で存在感のあるバラ、個性の強いバラも必要。何といっても、お客さんを飽きさせないバリエーションが大事。」とお父さんはおっしゃいます。
なるほど、定番のバラから変わりダネまで・・・流行をとらえた大輪品種や最新品種もしっかり網羅されているから、お花屋さんは梶農園のバラだけでお店をコーディネート出来そう。
「それでもお客さんのニーズは年々変わるんですよ。それにすばやく対応できるように情報収集だけは欠かせないですね。」
今では頼もしい息子さんの岳洋さんが、そのあたりをしっかりサポートされています。
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「ここ数年まで、ずっと土耕栽培だったからね。」とお父さん。
バラ工房の昔をしのぶネーム入りショベルカー。まだ動くかな?

ここはラベンダー通り。これまた立派なラベンダー!
「今年はもう咲き終わっちゃったんですよ。夏は一面良い香りでしたよ?」と岳洋さん。
近付くとまだほんのり爽やかな香りが残っていました、癒されます?。
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?環境コントロールの秘密?
ハウスで見つけました!この大きなヒートポンプという装置。

装置から飛び出た丸いパイプは送風口。ハウス内の温度、湿度のコントロールを助けて、バラにとって
良い環境を作ってくれます。
「全部で15台導入しています。効果は目に見えて分かるほどだよ。」とお父さん。品質向上に一役買っているそうです。
「幸い、宮城県は年間の日射量に恵まれて夏は涼しいから、バラづくりには良い環境なんですよ。
冬も太陽が出ている日中は暖かくて、ヒートポンプいらずの日もあるぐらいです・・・といっても宮城の秋冬はやっぱり寒いですけどね、9月末頃からもう暖房を入れ始めてますから。」と岳洋さん。

夏涼しい高冷地の気候は、バラには最適。湿度が低くカラっとしているから、病気も出にくいということで無駄な農薬も使わなくて済むんじゃないでしょうか?
さらに宮城は、東北でも特に日射量が多い地域。環境コントロールをしやすい恵まれた土地なんですね。
食材王国と呼ばれるわけも、良いバラが出来るわけも分かります!
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「去年から始めた”MPS”も環境コントロールのひとつだね。」とお父さんはおっしゃいます。
なるほど、丹野さんたちは具体的にどんなことをされているのですか?

「まず花の栽培に必要なエネルギー、肥料、農薬を日々チェックしてデータを毎月提出します。花を作るためのコストはどれだけかかるのか?ゴミは正しく分別されているのか?といったことまでチェックして、自社の生産を把握することが出来るようになります。」と岳洋さん。
MPSに取り組むことでどんなことに役立っていると思いますか?という質問には、一番大きなところでは、自分たちの生産の実態を知ることが出来て肥料や農薬についてこれまでよりも深く考えるようになったことかな?」とのこと。

あの、ずっと気になっていたんですが机の上に置いてある「農薬事典」これは、もしかして岳洋さんが読まれているのですか??

あーそれは!と岳洋さん。「農薬といっても成分とか残効期間も様々なんで、使用量を見直したりうちのバラに最適な薬を組み合わせたりしています。まだまだ勉強中です(笑)」と。
本当に勉強熱心ですね!
MPSを通して環境に配慮した花作りを目指して作られたバラは、自然と無駄な農薬が控えられ、花の品質も細かくチェックされているということ。このバラはそんな生産者のもとで作られたバラですよ、という
安心感や信頼をもたらしてくれる目印になりそう。

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?ここでちょっと息抜きタイム♪?
梶農園では一般のお客さま向けに採れたてバラの直販店もやっています。
事務所の側にある、こちらのお花屋さん。贅沢にも採れたばかりの新鮮なバラを1本から買うことが出来ます。

店内、バラづくし・・・贅沢?!これはお客さまも嬉しいはず。あの「アムネシア」や「レディチャペル」を、1本100?300円とはかなり良心的なお値段だと思います。実際に、ご近所から仙台方面まで色んなところからお客さまがいらっしゃるのだとか。花保ちの良さに感激して、リピーターが多いそうです。
お近くの方は是非!
梶農園HPでお店の情報をご覧いただけます。コチラ→http://kaji-noen.jp/index.html
ちなみに、お店のロゴはお父さんのお気に入り。お越しの際は間近でチェックを♪
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?バラづくりのコンセプトに迫る!?
丹野さん、梶農園のバラづくりのコンセプトを伺っても良いですか?
うーん、そうですねぇ・・・と少し考えてから、ご主人と岳洋さんは語ってくれました。
「まず第一には、お客さまが楽しめるバラですね。お客さまに、それぞれのバラのもつ個性や魅力をお伝えするのが自分たちの役割だと思ってます。」
とてもシンプルですね。
「そのためには、産地では”当たり前なこと”を徹底してやり続ける。出来ることは全部やる、努力を惜しまないこと。」と岳洋さんも続けます。
「当たり前なこと」とおっしゃるのは、つまりバラを咲かせることを前提にした切り前や手選別、花を傷つけないよう無理のない梱包をして出荷すること・・・などなど、当たり前だけど手間のかかる仕事ですよね?
「そうですね(笑)なんでも基本に立ち返って、地道にやり続けることが大事なんだって思いますよ。」とお父さん。
「昭和55年からバラを始めて色んな時代がありましたが、少しでも良い方向へ進むためにあれこれと努力はしてきたと思うんです。長い目で見て、立ち止まらず流されることなく・・・。」と深いお言葉。どんなときも一本筋の通ったお人柄と懐の大きさを感じます。

「どんなバラが求められているのか、流行やお客さんのニーズについて行けるように情報収集も大事」と
岳洋さん。「情報収集も息子が熱心にやってくれるから安心です。」と嬉しそうなお父さん。

梶農園は、この素敵なコンビの前向きなバラづくりがあってこそ成り立っているということがずっしりと伝わってきましたね・・・。今日一日、本当にお世話になりました。お父さん、岳洋さん、どうもありがとうございます!
箱を開けて見れば分かる、梶農園のバラの秘密。バラづくりの原点。
みなさまにも伝わったでしょうか?

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梶農園の格言
・梶農園のバラは量より質、効率より手間+環境配慮型である!
・合言葉は「咲いて楽しめるバラ」。
咲いてこそ分かるバラの個性を楽しんでください!
・定番から最新トレンドまで、幅広い品種バリエーション。
必ず欲しいバラが見付かります!
(文責 三浦彩)
2008年7月16日
vol.64 山形県 東北第一花卉 (T.D.K)
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ちまたは二酸化炭素削減トピックでいっぱい 、「エコなんちゃら」という新しいボキャブラリーが乱発し、世の中の関心が「環境問題」に集中する中、この花卉業界を代表する環境認証であるMPS(花卉産業総合認証プログラム)をいち早く取得したバラの産地が山形にあるそうな。
しかも、それは4人のグループで、その4人全員がMPSを取得されたという。
名を聞けば、なんと泣く子も黙る「東北第一花卉」(略してT.D.K)だというから、ただごとではない。
4人のうち2人は2007年12月にご取得、あとの2人も晴れて2008年7月にご取得された。
ならば山形まで行って話を伺ってこようではないか。
・・・と山形まで「エコ出張」。
詳細はこちらをご覧あれ↓
<第1編> MPS取得編
<第2編>
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T.D.KのURLと品種一覧はこちらでご覧いただけます。
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・・・T.D.Kの格言・・・
世の中はエココンシャスモード全開。この時代の流れに合わせて、MPSを取得すべし!社会のニーズです。
産地として生き残るため、明日への投資は惜しむべからず!
仲卸さんや小売店さんを裏切らないように、品質は常に維持すべし!
T.D.Kが売っているのは「バラと信用」!
4人の品種は重ならないように、話し合いで新品種を導入すべし!
新しいものが常にいいとは限らない。マーケットに耳を傾けるべし!
1人は4人のために、4人は1人のために。4人でひとつの大産地を作るべし!
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