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2006年11月17日
vol.26 JA愛知みなみ?洋花部会編?
(愛知県 田原市)
今回は、愛知県の南部、渥美半島に位置するJA愛知みなみを訪問しました!
東は豊橋市に接し、西は伊良湖水道を経て伊勢志摩に、
南は太平洋を臨み、北は三河湾に面するこの地域は、
暖流の影響で冬も暖かく、平均気温はおよそ16℃!
そんな花の生育に適したこの土地で栽培される花をご紹介します。
南国の雰囲気が漂い、海岸線もキレイ!
渥美町一番のビッグウェーブポイントとされる伊良湖岬です。
愛知というと真っ先に思い浮かぶ品目は“菊”ですよね。
実際、田原市の農業産出額は菊がダントツ1位!
でも菊だけじゃないんです!
今回は、日本一の総合産地と言われるこの地域の洋花部会に迫ってみました!
?アルストロメリア出荷連合?
まずは、アルストロメリアの圃場を見せていただくことになったのですが、 生産者の皆さんが集まってくださいました。
前部会長の川口さん(左)、現部会長の片山さん(右)
奥からJA愛知みなみの渡辺さん、同じくJA職員でサーファーの宮本さん、そして生産者の清田さんです。
今 出荷があるのは…
エストラーダ ホワイトフォレスト ブライダルピンク
この他にも…
マンゴー、メイフェア、サクラメント、スポットレス etc
品種画像はこちらをご覧ください。↓
http://www.otakaki.co.jp/topics/2006/200613/index.html
そして、来年の試作品種も並んでいました。
こちらは頬にチークを塗ったような表情がかわいらしいですね♪
JA愛知みなみのアルストロメリアの特徴
その?:日照量が多いから花が大きく、発色が良い!
…冒頭でもご紹介した通り、直接外洋に面している為、暖流の影響で暖かく、秋から初夏にかけて日照量も多いんです。
その?:地中冷却装置が全てのハウスに設置されている!
これが、その装置。球根は夏の暑さに弱い為、5℃の冷水を地中に埋められたパイプで循環させ、地温が10℃前後に保たれるようにしているのです。
アルストロメリアは夏に暑いと花芽が付かず、需要期である秋に開花することができないんです。
「地中で花芽を付けるから、地中の環境が大事なんだよ!」と片山さん。
皆さん知ってました?
このように、夏場にもお金と手間がかけられているから、茎も太くて品質がよいアルストロメリアが誕生するのです。
珍しい配色のメリアが沢山並ぶ圃場では、生産者の皆さんから、「この色はどう?」「こっちは?」と質問が飛んできて、意識レベルの高さを感じました。
これから出荷される新品種にも期待です♪
ところで、アルストロメリアと言えば、昆虫を誘う為の花弁の斑やラインが特徴的ですが、葉にも特徴があるんです。
分かりますか?
ねじれてます。どうしてかは生産者の方々にも不明?
誰かご存知の方いらっしゃいますか??
アルストロメリア部会の皆さんからお花屋さんへのメッセージ
『圃場を直接 見に来てください! 私達がいくらでも対応しますから。』
花の生産における長い歴史に裏付けられた誇りと自信を感じる力強いお言葉でした!
?ガーベラ出荷連合?
続いて、ガーベラ栽培をされている小野さんにお話を伺いました。
小野さんがモットーとするのは、
立ち本数を減らして、茎が太く、しっかりとしたガーベラを栽培する事!
ガーベラの特徴
その?:他産地に比べ、日持ちが良い!
その?:栽培方法!
…腰ほどの高さで発泡スチロールに入れて栽培するのです。
作業性のよさはもちろんですが、病気が発生しても、その箱だけを取り除けば、周りの苗にうつることがないのが利点だそうです。
「ガーベラは虫に喰われやすいんだよ。葉もぐり、ダニ、なめくじなんかに好かれるみたいで…。」
その対策にも日々追われているのです。
エビィ オーディオ キムシー
ティアラ ティプシー マジックライト
小野さんからお花屋さんへのメッセージ
『イベントで使う花はなんでない色ばっかりかき集めようとするんだろうね?
作付けの多いものを使ってくれたら助かるんだけど…。』
そうすると…
苗屋さんのお奨め品種&生産者の流行予測が大事になってくるのでしょうか?
品種選びについて「センスだよ!」とおっしゃっていた小野さん。
産地や市場からの情報をキャッチして、その年の導入品種を上手に活用しましょう!
?スイートピー出荷連合?
部会長の井本さんにお話を伺いました。
ちょうど咲いていた花は切ってしまったところで、残念ながらツルしか見ることができませんでした。
でも、出荷しないのに花を切ってしまうなんてどういう事でしょうか?
「花芽を一度切り落とすことによって、木に力を与えるんだよ。」との事。
今は力を充電する時期なんですね。
それから、スイトピーは日照が大事!
「曇りが3日も続くと花芽が落ちるし、手間がかかるんだよ」と井本さん。
スイトピーを作り始めて20年の井本さんでも、「毎年違うから奥が深い」とおっしゃっていました。
さらに、この作り方も特徴的ですよね。
「初めは紐を張ってツルを誘引して、絡まったツルをいちいち解いて巻きつけていたんだけど、この棒にしてから作業が楽になったよ」
ツルが伸びると畝の真ん中がモリモリと覆い茂って、右の写真のようになるのだとか。
そして、そのツルは1年でどのくらい伸びると思いますか?
なんと電柱1本分くらい(7m以上)巻くのだとか。
驚きの長さです!
ここでスイトピー豆知識
スイトピーの栽培で一番手間がかかるのが「巻き下げ」と呼ばれる作業。
スイトピーのツルは、毎日3?4cm、1ヶ月でおよそ100cm伸びて、棒のてっぺんまで届きます。
伸びたツルを大きな輪を描くように根元でぐるっと手繰り下ろすのが従来のやり方。
しかし、可動式のワイヤーだと、横に這わせることもでき、折れる危険性が少ないのです。
また、養分も先まで行き渡って良質の花を咲かせるのだとか。
「花屋さんに並んでると分からないかもしれないけど、手間がかかってるんだよ。
高くかってもらわないと!」と井本さん。
こうした苦労を知ると、店頭に並んだスイトピーもまた違って見えるのではないでしょうか?
ステラ スイートメモリーズ メモリーズ
メアリー エミリー ダイアナ
グレース マリアン モーフィアス
井本さんからお花屋さんへのメッセージ
『絶対損はさせません!
花持ちに自信をもって作っていますので、ぜひ使ってみてください!』
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この他のJA愛知みなみの出荷品目をご紹介しますと…SP菊:スプラッシュ/ペリカンサーモン
菊はゴルフクラブのような柄が長い鎌を使って
採花作業が行われていました。
トルコキキョウ:左からロジーナピンク/シュークリーム/キングイエローピンクフラッシュ/ピーチインパクト
ストック:ホワイト、ブルー
グロリオサ
カスミ草:スノークィーン
この地域は、左を見ても、右を見ても、見渡す限り様々な花を栽培するハウス、ハウス、ハウス!
さすが日本一の総合産地です!
ちなみに左の写真はキャベツ畑。こちらもた?くさん見られました。
そして、これらのが山の中にそびえ立つ
集出荷施設“花ポート”です。
訪れた時は荷物がなく、がらんとしていましたが、より一層その広さが分かったような気がします。
生産者各自の手で所属する部会と名前を判別するバーコードを貼った出荷物が持ち込まれます。
そして、検査台で品質、等級などの検品を受けた後、荷受データが読み込まれたバーコードが添付され、貯留する立体倉庫に収められます。
それから、指定のトラックレーンへと搬送される仕組み!
最盛期には なんと約13,000ケースもの取り扱いがあるそうです!!!
JA愛知みなみについての詳しい情報はこちらのHPもご覧ください。
→http://www.ja-aichiminami.or.jp/
“JA愛知みなみ”の格言
・温暖な気候のもとで作られる渥美半島の花は茎がしっかり、日持ちバツグン!
生産者自ら、絶対の自信をもってお奨めしています!
・日本一の総合産地は恵まれた気候と農業技術の進歩に加え、生産者の高い意識によって成り立っています!