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2007年5月28日
vol.40 沖縄県 福樹園
ウンチク探検隊 初の沖縄上陸!
飛行機を降り立つと南国らしく蘭の花に迎えられ、心も弾みます♪
今回訪れたのは、観葉植物の産地沖縄花きさんです!
出荷量は、写真のようなコンテナで年間250本!!
毎週 約5本ずつ、多い時は10本分もの出荷があるというから驚きです。
その中でも1点物の変りダネをコダワって作られている福樹園さんをクローズアップします。
ハウス脇の事務所に入ると、今流行のモノトーンでスリムな鉢や、コロンとした丸型の鉢などに植えられたドラセナや、味のある表情を見せるセロームが!
では、これらオリジナル商品の生産現場へLet's go!
コダワリ その1
早速発見!変わりダネ観葉各種です。
独自のカーブを描く『ソング・オブ・インディア』。
和な雰囲気の『ポリシャス』。
「まともに成長しないいじけたタイプを盆栽仕立てにしているんです」と島袋社長。
インテリアに合わせてY字に仕立てた『パキラ』。
「部屋のコーナーに置いて、この下にソファーを置くといいでしょ!」と実演される島袋社長。
ここまで形成するのに4年の月日を要しています!
でも、どうやったら こんな曲がりができるのでしょうか
このように、紐などで誘引する場合もあるようですが…
水を与えると葉が重くて自然と倒れていきます。
↓
これを繰り返すとクネクネとした動きの自然な曲がりが完成するのだと教えてくださいました。
そして、幹部分をよ?く見ると年輪のようなものが!
冬場、葉が落ちて軽くなると成長が早まり真っ直ぐと伸びるのだそうです。
このスジの幅が成長スピードの跡。つまり、いじけるとはグングン伸びずに成長スピードが遅く、まっすぐに伸びないこと。普通は商品価値がないと判断されるコレに目を付けたわけです。
オリジナル商品の誕生!
元々、ご実家が農家だった島袋社長が観葉植物の栽培を始めた切っ掛けは、「面白いかな?」というわりと軽い(?)気持ちから。
始めはグリーンリース業もされていましたが、次第に値段が下がり、「もうコレばかりに頼っていられない!」と1点もののオリジナル観葉作りに奮起。 本格栽培をし出したのはココ1?2年のことだそうです。
住宅事情の変化に伴い、大鉢の需要が拡大したこと、またオリジナリティの高い商品を求める消費者が増えたことから、インテリアショップでも近頃ステキな観葉をよく見かけるようになりましたよね。
だから、時代の流れにマッチしているのです!
個性溢れる曲がったラインが特徴の いわゆる変りダネを沢山栽培されていますが、ご自身が好きなのは「モミジみたいなポッ、ポッ、ポッと葉や花が付いた、ふんわりした感じ」なのだとか。
「だって、作られたようなラインはずっと見ていると疲れるでしょ!
だから自然な感じが好きなんです。」
こちらで皆が『モミジ』と呼んでいるのは、『ポリシャス』のこと。
確かに、見た目の雰囲気は似ていますよね。
こうした観葉苗の増殖場所があるというので、案内していただきました。
ナント 広大な農場を2箇所、合わせて2万1500坪も所有しているのです!
⇒
芽を吹かせる為に背丈ほどに成長し、不要になった枝を伐採、右上の写真のように挿してから苗が出来上がるまでに1?2年かかります。
それにしても、見渡す限りの観葉畑!
福寿園の販売担当 恒石さんは、すっかり沖縄に馴染んでいるように見えますが、実は東京から沖縄へ移り住んで、まだ1年にも満たないのだそうです。
沖縄へ来て驚いたことを聞いてみると、
「冬場は曇りの日が意外と多いこと。それから…そこら辺に植わっている植物がみんな観葉植物だったこと!あと…どの植物でも花を付けるんだなぁ!って知ったことでしたね。」と語ってくださいました。
←これは、『ドラセナの花』 見たことありますか?
訪れた季節は まだ春だというのに、周辺には驚くことにアサガオが自生しています。
そして、ドラセナ畑の向こうには、ゴムの木(アルテシマ)の壁が!
「作れるかなと思って20年前に植えたものが、こんなに成長したんです。」と島袋社長。
観葉植物は根が浅いので、台風の力で倒れてしまうことがある為、今では防風林としての役割も果たしているのだそうです。
コダワリ その2
社長のコダワリは、植物だけではありません。
土も独自に配合した培養土に植え替えています。
そして、根に入り込んだ土を丁寧に落としてから鉢上げがされています。
⇒⇒
鉢底から根っこが顔をのぞかせ、葉に色がのってきたら出荷準備OKの合図!
ここでクイズ!
これ何だか分かりますか?
答えは、大きな鉢を運ぶ手押し台車でした。
とっても便利そうですよね!
今までご紹介した他にも、沢山の種類の植物が育てられていました。
まさに宝の山です!
ほんの一部ですが、ご紹介します。
アトムピンク パキラ コルジリネ
ギンリュウボク 小鳥がとまっているいるようで可愛らしいですよね。
そして、コレ何だか分かりますか?
↑初めて目にする圧巻のアガベ畑!!
今、大人気のアガベですが、希少な商品。それだけに驚きです!
今風の黒い化粧鉢に入れると、こんなにオシャレに!⇒
今後の目標について伺ってみると、
「既存の種類でも見捨てられているものがまだまだあるはず!だから、作り方や見せ方を換えて商品化していきたいです。また、本土で作られていて、沖縄にないものを沖縄で作ったらどうなるか試してみて、沖縄で栽培した方が有利な植物を生産していきたいです。」
「採算ベースでは合わない部分もあるけど、熱帯植物の需要は高いと思います。
それを生産ラインにのせて、マーケットに提供していきますよ。」
1点もの商品ばかりなので、直接 見に来る花屋さんがいるというのも納得です。
情報交換は直でも、単独での物流は高くつきますので、市場外流通は考えていません。
『市場を通す市場外流通』という新しいスタイルと言えるのでしょうか?
仕事上のベストパートナーとお見受けしたお二人!
二人三脚で新しい商品開発に励み、観葉植物市場へ更なる新風を吹き込むことを期待しています!!
福寿園さんからお花屋さんへのメッセージ
需要に応えられる商品作りに励んでいます。
生産地からの情報を発信するホームページも現在 準備中ですので期待してください。
福寿園の格言
・見飽きた観葉鉢も作り方や見せ方次第で目新しい商品に変身します!
・まともに成長しない“いじけたタイプ”、クネクネした“へそ曲がり(?)タイプ”を個性と受け止めるべし!
・直接お花屋さんの声を吸い上げ、市場へ供給される、先端の商品に期待すべし!